吹屋とその周辺の道
 中国地方は、これまでに何度か走っていますが、特に中国道付近の民家を交えた風景がとても気に入っています。 今回は、最近ヒルクライムレースも行われるようになって自転車乗りにもよく知られている吹屋を訪れることをメインとして、周辺の道を楽しんできました。 (2014年10月14日 記)

吹屋の街並み
コース  高梁−宇治−吹屋−西江邸−県道60号線−井倉−豊永−北房−有漢−吉備中央−豪渓−高梁
走行距離   約130キロ   積算標高 約3000m
最高地点   周辺の道、何ヶ所かで標高500mほど
走行日   2014年 5月 6日   天候:晴れ   FELT F1
   
  連休最終日の5月6日。前年秋に計画していながら直前に諸事情で中止となった吹屋、漸く実現することができました。一番の目的は吹屋でしたが、同じくらい期待していたのが、いつも高速中国道・岡山道路上から見える民家と周辺の田園風景。
 岡山道・賀陽まで、ほぼ100分。Google Earthを眺めていて確認した高梁・美しい森の駐車場にデポ(デジタル世界の情報の多さ・詳細さに、またまた驚くアナログ親父です)。

賀陽付近の田園風景

国道383号線、備中高梁東にあるループ橋
 午前7時前にスタート。まずは国道484号線で高梁へ向かいます。スタート早々、楽しみにしていた民家と田園風景に出くわしました。ちょうど田植え直前、水田には水が張られて準備万端です。この道は予想していたより遥かに立派で、地図で確認していたループ状の部分も随分と規模が大きくしっかりしていた。季節的にはちょっとずれていると思いますが、冷え込んだこの日(最低気温4℃)、雲海が少しばかりみられました。

雲海が少し残った備中高梁の街

田園風景、宇治〜吹屋
  高梁川を越えて県道302号線に入ると、一気に200m以上の登り。この日一日同じような状況を何回か繰り返しましたが、登りきると中国地方ならではの高原状・なだらかな丘陵地。吹屋までは旧道を走る予定としていましたが、もうひとつはっきり把握できない分岐が多く何度か迷走。一部広域農道を走ることとなってしまいました。どこもそうですが、およそ広域農道と名がつく道、練習にはいいでしょうがツーリングにはあまり向きませんね。幸い、道脇の広葉樹林の新鮮な若葉が輝いていて救いでした。
 宇治で広域農道を離れて旧道へ。田植え時期の田園風景を楽しんでいると、まもなく道は山間部の細道となりました。所々に、秋に開催されているヒルクライムの距離表示を見ることができます。

ヒルクライムコースの表示

ベンガラ塗りの壁
 吹屋までは緩やかな勾配続き、最後にちょっとだけ登りらしい勾配。辿り着いた吹屋は、まだ朝も早かったためか懸念していた観光客はほとんど見当たらず、落ち着いた通りの佇まいをゆっくりと散策することができました。自転車を押しながら、通りを2往復あまり。

県道363号線、この後勾配が急に

石州瓦
 通りには、ベンガラ塗りの外壁や格子窓が続きます。あまりに天気が良すぎたので、写真が平板になってしまっているのが残念。

落葉樹林の中を登る

 吹屋小学校、日本最古の現役木造小学校
 途中、日本最古という現役木造校舎・吹屋小学校も寄り道見学。窓ガラス、すべてが鏡のように磨かれていました。

郵便局も、格子窓

重なる石州瓦
 郵便局も、カモフラージュされていました。裏手の少し高いところから見ると、石州瓦がおりなす屋根の重なりも美しい。一枚一枚微妙に異なる色合いは、北イタリアで見かけたワイン醸造所付近の屋根瓦にも似ているように思われました。

黒っぽい瓦も

格子窓
 格子もそうですが、板塀、なまこ壁なども最近の建物では、まず皆無。吹屋に限らず、この中国地方には、比較的新しい民家にもそんな造りが踏襲されていて、吹屋の茶褐色とは異なる漆黒の塗り瓦がモノトーンの美しさを醸し出している民家が当たり前にみられるのが、素晴らしい。

意外と低い軒先

白壁となまこ壁、板塀
 小1時間ほど、ゆっくりと見学。とにかく人が少なかったのが一番。のんびりと堪能できました。

西江邸、ここも石州瓦

西江邸、全貌
 名残惜しくも吹屋を後にして県道33号線に向かったところ、少し南へ下ったところに西江邸という豪邸があるらしいので寄り道。県道から急峻な道を押しての高台にある邸宅は、大きな蔵を持ち、やはり石州瓦が美しい民家。欅をはじめとする、周囲の落葉大樹の新緑もまた魅力的でした。邸内も見学できるようでしたが、時間的なこともあり、外観を拝見しただけで先へと進むことにしました。

 哲多町萩尾付近のブドウ畑

 桐の花が満開、井倉付近
 再び県道33号線に戻って北上。家実から県道50号線で東進予定でしたが、分岐部で完全閉鎖。こりゃ困ったと思ったところ、少し北に迂回路の表示あり。この道がまたとても細くて、一度違うと思って行き過ぎて引き返した次第。ここも一気に登った後は、高原状。哲多町萩尾付近は、岡山特産のブドウ畑が広がっていましたた(この日のコース、随所に見らましたた)。雨除けのビニールと枝の誘導はこのようにするのかと、大変参考になりました。

井倉付近、川まで下って再び登る

上の写真の対岸から、写真のほぼ中央の道を下ってきた
 しばらく高原状の道を走った後、再び高梁川・国道180号線・井倉に向かって一気に下り。ちょうど対岸の斜面に、桐の花が満開。ひょっとしてあの付近を登るのかと思っていたら、やはりそうでした。伯備線も通るこの付近、鍾乳洞も多いようですが、ほとんど素通り。井倉付近は河岸段丘なのか、高梁川両側は切り立っていました。
 高梁川まで下って、再び300mほど登り返して、また高原状の草間地区。ここもブドウやリンゴ?その他いろいろな作物が栽培されていました。また、田園風景とともに、周囲には手入れが行き届いている雑木林が点在していたのが、四国ではあまりお目にかかれない光景でした(残念ながら写真なし)。薪などを調達しているのでしょうか。

 新緑の県道312号線

 吉備中央付近にて
 中国道が並走する北房付近でお昼過ぎ。補給小休憩の後、今度は岡山道のやや西側山中を並走する県道312号線を南下。この道も交通量が少なく、新緑が美しかった。この季節、何処を走ってもそう感じるのかもしれませんが、中国地方は四国とはまた一味違った良さをいつも感じます。
 有漢で県道49号線へ。少し交通量が増えましたが、3qほど進んだところで県道156号線へ。この道は、やや細かったですが、交通量はほとんど無く、のんびりと走れました。吉備中央付近に出ると、農耕地が広がる平地が広がっています。

県道305号線の切り通し

豪渓
 そこから県道305号線へ。以前に走った時にも感じたことですが、この辺りは南北に流れる川に沿って(瀬戸内と山陰を結ぶように)主要道が走っており、これと交差するような東西を結ぶ道は、細く交通量も少ないのが一般的なようです。この道も同様でしたが、サイクリングには、こんな道のほうが断然楽しい。
 道の駅・賀陽からは、まだ時間に余裕があったので、豪渓に向かうために県道472号線で総社方面に南下しました。県道57号線に当たったところで右折して、豪渓方面へ。ここも期待していたところ。しかし、横を流れる川の水は、この日たまたま条件が悪かったのか随分濁っていました。秋になると紅葉が楽しめそうな木々も多く、切り立った岩壁も目を楽しまさせてくれましたが、期待が結構大きかっただけに、ちょっとだけ落胆。が、緩やかに遡る道は交通量も少なく、サイクリングには最適でした。

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