宇陀・桜めぐりツーリング (又兵衛桜、再び)
 ゴンさん達の企画に便乗させていただき初めて又兵衛桜を拝んだのは、もう5年も前。また行けたらいいな、と思っていた宇陀の桜めぐり。今回、実行できる段取りが付き始めたのは、その3日ほど前。天候が大丈夫という予報を見てだったのですが、前日すーさんに連絡したら「雨みたいですよ」。えっ、そんな・・・。前夜、再確認すると昼間は大丈夫そうだったので、急いで手持ちの資料とウェブ情報を元に、未訪だった周辺の桜も含めて大まかなコースを設定しました。  (2019年04月12日 記)

又兵衛桜、満開
コース   橿原−石舞台−又兵衛桜−天益寺−芳野川沿い桜並木−諸木野−佛隆寺−西光寺−室生寺−大野寺−長谷寺−橿原
走行距離   85キロ   積算標高 約1500m
最高地点   林道南埴カトラ線の峠  標高650m 
走行日・天候   2019年 4月 7日  天候:晴れ   FELT F1
 午前5時過ぎ、徳島出発。デポ予定地には7時半に到着したのですが、入り口が封鎖されていて入れません。周辺をウロウロして、結局前回もデポした橿原市内の野球場駐車場に向かいました。デポ地は、もっと宇陀の近くにすることも考えましたが、少し走って訪れたほうが又兵衛桜の良さが有難く感じられるかなあと思ってこともあって、敢えて橿原としました。
 8時過ぎに、スタート。まずは明日香・石舞台へ向かいます。数q走って到着した石舞台周辺は、ソメイヨシノが満開(写真:下)。三脚を構えた写真撮影人や花見も兼ねた観光客の姿が30名くらい見られました。
 
 続いて、県道155号線で多武峰峠を越えます(写真:下4枚)。この道は5年前にも走っているのですが、こんなにきつかったっけと、つくづく走力の衰えを感じさせられました。峠にチェックしていなかった桜の表示があったのですが、まだ山を登るようだったので、後の予定も考えて、そのまま下りました。下って、県道37号線を横断して(前回は、ここを右折して吉野に向かいました)直進します。
石舞台すぐのとこと 棚田を見ながら 大分登ってきました 前回は雪があった下り、桜は咲き始め
 この道には2qほどの長いトンネル(大峠)があったので避けたかったのですが、ここを通らないと宇陀までかなり遠回りになります。Google mapでは横道があるように記載されていますが、地形図では歩道の表示だったので選択せず。進んでみると、県道でもない道ですが、とても立派な2車線です。おまけに交通量はとても少なくて、トンネル内も比較的安心して走れました。あまりに交通量が少ないので、何処かで通行止めになっているのかもと思ったくらいでした。ただし、トンネルまではまた少々きつい登りです(写真:下左2枚)。トンネルから下ると、国道166号線に左折。2km弱で道の駅・大宇陀です。自転車ラックがありました。
  左端 広い道、結構な登り坂
  左   大峠トンネル
  右   道の駅・大宇陀
 人の少ない時間帯に到着したかった又兵衛桜ですが、到着したのは既に10時過ぎ。有難いことに、前回同様、満開です。さすがに、初めて見た時ほどのインパクトはありませんが、いや、やはり素晴らしいの一言に尽きる1本です。このところ、以前に比べて枝振りが弱った桜を何本か見ていただけに、5年前と全く変わらぬ枝振りと豊富な花付きのボリュームある姿には、この樹の持つ生命力の強さを感じさせられました。
 相変わらず人出は多いですが、到着時が前回より遅かったにも関わらず、大型観光バスの数はやや少ないように思われました。しかしマイカーで訪れる人は相変わらず多数。確か前回はなかった記憶の又兵衛桜の対岸まで駐車場が設けられており、手前からクルマは渋滞でした。これで人出が少なければいいのですが、まあ、私もそんな一人なので文句は言えません。近くでいた私より高齢と思われる婦人から、「一度見てみたかったのよ、いいものを見ることが出来て良かった」と言われる声を耳にしました。きっと訪れるみんながそう思っているのだろうな、と思いました。ゆっくりするには人出が多過ぎ、まだまだ後があるので先へ進みます。
 一方通行の帰路を進んでいたところ、チェックしていた近くの天益寺の表示を見つけたので向かってみました。細い道に入って、何処がそうかなあとキョロキョロ。見逃しそうになったところに、もう一度表示を見つけて到着出来ました。枝垂れ桜の花はやや白色調で多くはない花数が、艶やかな又兵衛桜日曜日対して、清楚で品のある雰囲気を醸し出しています。樹の袂には、セルフサービスですが、なんと冷えたお茶の用意までありました。又兵衛桜とは目と鼻の先ですが、訪問客は数名。桜情報など話していたところ住職と思われる方も出てこられ、すーさんのドローンを交えて、しばし歓談。写真:下右は、お寺から下って、少し離れたところから撮った一枚。
 大宇陀旧道の街並みを横目に眺めて(写真:下左)、国道166号線経由で、次の目的地・芳野川沿いの桜並木(写真:下右)へ寄り道します。長さは300mくらい。ここも満開です。個々の樹はさほど大きくともないのですが、片側から川に向かってトンネル状に道を覆っています。こんなにいいロケーションなのに、花見の客は4名ほどの2グループだけ。すーさんと独占ではありませんが、ゆっくり往復して満喫。やはり人が少ないのがいいですね。
 続いて、県道218号線で小さな丘を越えて国道369号線へ向かいます。写真:下左上は、県道218号線に入ってすぐにあったとても大きな家屋。どうも個人宅のようです。県道218号線も思いの外、立派な道でした。国道369号線に左折して、1qばかり走ったところで、諸木野の小さな標示板を見つけました。ここも事前にチェックしていて、分岐がわかれば訪れようと思っていたところです。15X40cmほどの小さな案内板は反対向きに立っていて、危うく見落とすところでした。向かう道は、これがそう?とちょっと躊躇われるくらいの細い道でした。進んでみると、今回のコース上では、ほとんど唯一の密生した杉林の中を緩やかに登っていきます(写真:下中上)。そんな杉林の道を標示にあったとおり2q少々進むと、空が開けたところに出てきました。そこが諸木野の集落でした。あちこちに桜の花が見えます(写真:上右下)。
 驚いたのは、緩い斜面ある集落を形成する数軒の民家が、いずれも屋敷と呼びたいくらいの大きく立派な建物ばかりだったことです(写真:下中下)。急坂を登った集落の外れに東屋様の建物があったので、そこで小休止。写真:上中下のような手書きの地図がありました。ここは伊勢本街道の宿場町だったそうです。ところで、肝心の桜はどれかな、水田に映る姿の写真が載っていたはずと思って回りを見渡したら、屋根の向こうにそれらしき大きな桜が見えます(写真:上右)。残念ながら、まだ蕾。きっとあれだろうと、元来たところまで引き返します。あまりに大き過ぎて、先程は真下で気づかなかったようでした(写真:下中上)。ちょうど、そこに古めの石の道標があって、佛隆寺・左の表示がありました(写真:下右上)。事前に諸木野から佛隆寺への直通の道は確認できていなかったので、一度国道369号線まで同じ道を戻る予定でしたが、その道で向かってみることにしました。進んだところ、そのすぐ先で写真通りのポイントを発見(写真:下左)。いや、満開でなかったのが、つくづく残念です。
 そこから佛隆寺までは、いきなり結構きつい登りもあって(写真:上右下)、道両側はほとんど杉林でした。道もクルマの轍以外は杉の葉が散乱。ゆるゆると登って下ると、少し開けたところへ出てきました(写真:下左上)。宇陀市主催の祭りが主催されていた佛隆寺には、正午過ぎに到着。いや残念、ここも蕾です。ここは、以前から周辺の桜より1週間くらい見頃が遅いらしいことは知っており、天益寺で出会った方からも、まだ早いと言われてました。樹齢900年というこの樹、袂に立つ人との比較で、その大きさわかるかと思います(写真:下右)。満開だったら、さらに大きく見えて見事でしょう(しかし、きっとこの狭い道・場所に人とクルマが溢れること間違いなし)。
 気になったのは、周りに沢山の桜が植えられていることです。一本桜の良さが、満開時には少しかき消されるのではないかと、ちょっとばかり危惧。
 分岐部で交通整理をしていた方と立ち話。やはり次週が見頃のようです。この後の道情報(諸木野から下ってきた分岐には冬季閉鎖中の柵が道脇に除けられていたので)もいただき、室生寺へと向かいます。林道赤埴カトラ線というらしいこの道、1車線の広い道で舗装もしっかりされていましたが、勾配は結構きついです。佛隆寺はあっというまに眼下に(写真:下中上)。なんだか登ってばかりだなあと、すーさん。峠、この日のチマコッピは標高650m(写真:下左)。峠にあった休憩所では、街道歩きらしい数名の方が休憩中。下って、室生寺方面へ。山道から出る手前には、獣避け用の門がありました(写真:下右下)。見ると、ずっと横の山腹にも柵が続いています。
 門を開けて(ちゃんと閉じて)下ると、まもなく視界が広がってきました。諸木野・佛隆寺と蕾だったので、そこより奥で標高もさほど変わらないと思われた西光寺付近もまだ咲いていないかなと思われましたが、枝垂れ桜のためか満開に近い状態でした。写真:下左は、西光寺の少し上方にて、下右・後方が西光寺の枝垂れ桜です。
 下の4枚は、全て西光寺のもの。ここにも、街道歩きらしい10数名の団体と花見客が数組。すーさんが石舞台、又兵衛桜、天益寺に続いてドローン撮影をする間に、あっちへ行ったり、こっちへ来たり、うろうろ移動して写真を撮ってみましたが、なかなか自分のイメージとしっくり一致するものが撮れません。
 さらに、ちょっと下ると室生寺。ずっと以前から、その有名な名前は知っていましたが、木造の五重塔があったはず程度の知識しかありませんでした。正午過ぎくらいに到着できれば余裕だなと考えていましたが、既に13時半も過ぎていました。門前の県道28号線は狭い道の両脇に宿屋や土産物店が軒を連ねています。門前で引き返すことも考えましたが、キョロキョロしていたら、一軒の土産物店の人が店前にある自転車ラックを指して、どうぞとのこと。次があるかどうかわからないし、折角なので参拝することにしました。仁王門は屋根葺き替え中。とりあえず、五重塔まで。境内には、シャクナゲが多数見られました。本堂の屋根を覆うようなエドヒガンかと思われる樹高のある桜が何本かあります(写真:下中上下)。五重塔は、見慣れていた本山寺や善通寺の五重塔より、やや小振りで質素に見えました。
 室生寺を後に県道28号線を下って(写真:下左端)、国道165号線に合流する部分で、次に予定していた大野寺に立ち寄ります(写真:下右3枚)。コイトシダレザクラという桜が有名らしいですが、塀越しに見た古木は、花付きは多く満開だったものの、痛んだのか随分と枝が切られているように見えました(おそらく写真:右から2枚目)。国道165号線に出ると、予想通り交通量は増えて、サイクリングとしてはあまり楽しくない道でした。しかも、ここからは下りだろうと思っていたのに、また緩やかに登って行きます。隣に併走する近鉄大阪線は結構往来本数が多く、1時間に1往復程度の四国とは違うなと思いました。
 最後に立ち寄ったのは、長谷寺です。ここも名前だけは有名なので知っていたものの、どんなお寺かほとんど知識はありませんでした。室生寺や大野寺などと同じような感じだろうと予想していたのですが、国道165号線から右折して参道と思われる道に入ると、人も通りも随分と賑やかです。到着したお寺は、山門前からいくつかの種類の桜を始め、モクレンなど花が咲き乱れていました(写真:下5枚)。時間が押し迫っていたことや疲れていたことなどもあって、奥までは行きませんでしたが、遠目に見た展望の良さそうな本堂辺りからだと、また違った光景が見られるのかと思います。
 長谷寺からは、国道165号線をそのままデポ地・橿原方面に進みましたが、途中からは交通渋滞。狭い道に渋滞するクルマの横を注意しながら走ります。デポ地の近くまで行って、朝と同じ道を走っているものと思っていたのに、いつの間にか違う道となって、少し思い違い。野球場はもう少し手前だとばかり思っていたのに案外南で、途中ですーさんと何度か立ち止まって確認しながら、16時過半頃デポ地に到着しました。前回同様、橿原神宮周辺の森は深く広そうで、ここだけゆっくり歩いても楽しめそうに思えました。

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