川への想い   

    2012 a la carte  Caracassonne  (2012.07.12)


Porte Narbonnaise Carcassonnne (カルカッソンヌ・ナルボンヌ門)
 Carcassonnne(カルカッソンヌ)という城郭に囲まれた町の存在を知ったのは何時頃だったのか、定かな記憶はありません。生家にあった「世界の文化史蹟 13 ヨーロッパの城と町」講談社の発行年度は1969年(写真:二つ下左端)。なんと50年近く前。2006年に初めて Etape du Tour のツアーに参加した時、Tour de France 観戦のためフランスアルプスからピレネーへと移動する時に、Carcassonnne の近くを通ることが予想されました。ツアーは、Etape du Tour 参戦と Tour de France 観戦が目的のため、毎日早朝から夜まで強行軍で、通常の観光はほとんどありません。2006年も、この辺りかなあと高速道路を疾走するバスの車窓から眺めていたところ、チラッとですが、その姿を高速道路から北側に小さく垣間見ることができただけ。それでも結構満足でした。別述のように、2011年参加時には、幸いにも高速道路上で Carcassonnne の近くにある PA の展望ポイントで休憩をとっていただけ、そこから遠望することができました(写真:下右)。

 3回目となった2012年は、それまでの2回、一日で走っていた600q近い移動が、Tour de France 観戦後となったため、ほぼ中間地点にあたる Nimes(ニーム)で一泊することになりました。そのため、翌日の移動は珍しく余裕ができました。ということで、添乗員Tさんの計らいで、まずは Pont de Gard(ポン=デュ=ガール)へ寄り道。それだけでも大満足だったのに、昼食を兼ねて、なんと Carcassonnne に寄っていただけるとのこと。ずっと以前から一度訪れてみたかっただけに、こんなうれしいことはありません。
 ということで、お昼前だったかに到着した Carcassonnne。少し離れたところに駐車場があるのですが、これがまた広大です。しかも多数の大型観光バスと、展示ショーでもしているのかなと見紛うようなキャンピングカーの行列。やはり超人気の観光地のようです。

 駐車場から少し歩いて、東側の入り口・Narbonnaise(ナルボンヌ)門から城郭の中・旧市街に入ります(写真:トップ&下左)。写真:下右は門を入って、すぐ左手。城壁に沿って一周できるのか、観光用と思われる馬車が遠ざかっていきます。門を入った途端、中世に迷い込んだような感覚です。
 そんな様相ですが、ここも中世からずっと維持されてきたのかと思っていたら、19世紀後半までは、ほとんど荒廃寸前だったそうです。現在見られる姿は、何人かの方が中心となって復興したそうですが、その中心人物が Viollet-le-Duc(ヴィオレ・ル・デュック)。専門家の中では、その評価も分かれるところがあるそうですが、私を含めた大部分の観光客は、そんなことは関係なく現在の姿に魅せられているようです。

 フランスの美しい村のいくつかもそんな風に近代になって復興してきたところもあるようですが、そんな歴史まで知ってやってくる観光客は、むしろ少数派でしょう。それでも、みんなの心を捉えるのは、そこにプランニングに基づいた理念によって維持される光景が、目の前に現存するからでしょう。
 城郭の中は、観光客でごった返しています。土産物店やレストランも多数ありますが、建物は全て、その頃復興された状態で使用されているようです。

 私達も、とあるレストランで食事。できることなら、ワインを飲みながら2時間くらいかけて食事をして、その後、ゆっくりと城郭内を散策したいところですが、如何せん時間がそんなにはありません。食後、集合時間まで、慌ただしく迷路のような城郭内をウロウロしてみます。
 

 写真:下左は、伯の城館の入り口(これも上述の「世界の文化史蹟 13 ヨーロッパの城と町」で確認)。内部にも入ってみたいのですが、やはり時間がありません。そのままウロウロしていると教会があったので、チラッと中に入ってみました。
 

 信仰は全くないので、教会内部に入ることには、いつもちょっと躊躇われるのですが、そっと入ってみました。ここは観光地だけに、教会内にも人が多いです。写真を撮るのも躊躇われますが、折角なので遠慮気味に何枚か。ステンドグラスの宗教的な意味とか、芸術的な価値はわかりませんが、きわめて個人的な好みで判断して、何枚か写真を撮りました。
 

 もっと、ゆっくりしていたいのですが、あっという間に集合時間が近づいてきました。帰路途中、城郭方面に、もう一度向かってみました。抜けるような青い空に、尖塔が輝いています。城壁には、矢狭間。いくつも並んでいます。不思議なことに、Pont de Gard で多かった東アジア系の観光客は、あまり見かけませんでした。

 僅か2時間程の駆け足観光でしたが、過去2回近くを通りながら立ち寄ることができない・今回も素通りだろうなあという予想を、うれしい方向に裏切ることになった貴重な時間でした。上述のように、 Etape du Tour 参戦ツアーには、通常の名所観光の日程は全くありません。所謂通常の観光名所の近くを通っても、なかなか立ち寄ることもできません。しかし、こんな風に少し時間的余裕ができると、アドリブでオプションを取り入れてくれる、そんな柔軟性も、またひとつの楽しみです。

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