林道三蔵窪線 と 笠仏峠
 この年の2月、3月は、所用があったり天候の具合が思わしくなかったりする週末が続きました。この日は、久々に好天の休日予報。以前から気になっていた、水の丸ふれあい公園の西側から三加茂方面に下る道を走ってみることにしました。 (2020年 3月31日記)

林道三蔵窪線にて
 目覚めると、外は快晴です。意気揚々と西へとクルマを走らせます。貞光の河川敷にクルマを停め、午前8時過ぎにスタートしました。まずは、貞光・うだつの町並みを眺めながらゆっくりと走り始めます。
コース  貞光−笠仏峠−川又−大藤−林道三蔵窪線−三加茂−貞光
走行距離  60q  積算標高 1700m
最高地点  林道三蔵窪線分岐手前付近 標高1050m
走行日  2020年 3月15日 天候:晴れ/曇り/雪  シクロクロス

国道438号線〜笠仏峠〜半田川又 (コース前半)
 国道438号線を4qほど走ったところで、右折して貞光川を渡り、初めての道へ進みます。ちょうど分岐部を確認中に、ロードバイクに乗った方が見ノ越方面に向かって走って行かれました。標高1000mの水の丸ふれあい公園に登る前に一山越えても力が残っているか少し不安でしたが、折角なので寄り道回り道します。エドヒガン桜で有名な吉良のひとつ手前で同じ西方向への山なので激坂を覚悟していましたが、勾配はそれなりで助かりました。最初は予想外の2車線道でしたが、道なりにそのまま進むのではなく、ほどなく右手に折り返すように進み、一車線道になりました。その直後、勾配がきつくなりましたが、少し走ると、また一段落しました。道周囲のあまり手入れされていない杉木立の奥には竹林が見えます。道は曲がりくねっていて、すぐ上にも進む道ではないガードレールが見えたりと、途中何度か間違っていないかスマホで道を確認しました。写真:下右端は、ツツジの里萩生というところのようです。紅梅と花芽が膨らみ始めた枝垂れ桜が見えます。もう少し後の時期が見頃のようでした。

貞光・うだつの町並み

国道438号線からの分岐部

奥は竹林

ツツジの里萩生
 写真:下左は、竹屋敷という地区付近と思います。このように、吉野川方面に見通しが効くポイントはほとんどありません。右手前の杉の奥は、桜堂のエドヒガンがある柴内地区の貞光側です。貞光の町が見え、奥に見えるのは阿讃山脈・大滝山付近でしょうか。いつだったか(確認できず)吉良のエドヒガンを見た後、東福寺から北東方向へ登り返して、半田側ではなく途中から貞光へと下った道に合流しました。写真:下右、右手下から登ってきました。左手に下ると貞光方面、今回は手前右手に進んでいきます。
 その時走った稜線の道を今回は少しばかり逆走するのですが、記憶はほとんど残っていません。勾配は緩やかになって、杉やヒノキの細い木々と雑木林が続きます(写真:下左)。やっと一息付けました。吉良(一度東福寺方面に下って登り直し)への分岐手前で、西南方向に冠雪の峰が見えました(写真:下右)。剣山ではないなあ、何処かなあとその時はわからなかったのですが、その後走って石堂山から矢筈山方面だろうと確信(写真:左手後方、中央は火打山付近と思われる)。
 写真:下左は、東福寺への分岐部。手前から進んできて、右手奥へと進みます。笠仏峠はすぐそこです。左手に下ると、国道438号線・東福寺方面。写真:下右、笠仏峠にて。写真の向こうに何やら石碑がありましたが、峠の表示は全くありません。奥には讃岐山脈が見えます。峠の標高は約400m。
 峠からすぐのところに、何かの作業場みたいな広場があって、普段からクルマが出入りしているようでした。半田側はコンクリート舗装で、杉林の中を走る道が続きます。そこそこの急勾配。見晴らしは全くありません(写真:下左上)。写真:下中上は、下ってきて初めての民家。高清という地区のようです。山に入って気温が低いのか、梅がようやく満開を迎えたところでした。そのまま県道258号線となった道を下り、半田川の川又橋(写真:下左下)を渡ると、右折して県道256号線を少し川下に下ります。ここまで13qほど、時刻は9時半前でした。
 県道256号線を1qほど走ったところで、予定の道と思われる分岐を見つけました。民家の入り口のような道ですが、念のためGPSでここだと確認して進みます。この道は容赦ない激坂で始まりました。最初の2qほどで軽く標高200m以上を稼ぎます。道は写真:上右のような比較的新しいコンクリート舗装。緩やかそうに見えますが、勾配は10%以上あります。右側は半田川に向かって結構切り立っていますが、杉などで視界が遮られています。写真を撮っていると、軽トラが追い抜いて行きました。生活道のようです。さらに1qほど同じような状況が続きます。写真:上中下、登ってきたコーナー手前の道は緩やかに見えますが、10%は軽く超えています。
 左  讃岐山脈が見える
 上  南斜面に回ってきた
 右上 尖がり山は黒笠山
 右下 大惣方面
 大分登ってから、ぽつぽつと民家が現れてきましたが、8割方廃屋のように見えました。写真:上左の赤い屋根の民家は人が暮らしているようでした。遠くに吉野川が見渡せるポイントは、ここだけだったように思います。道は折れ曲がりながら進むため、方向感覚がおかしくなってきます。全体として北東方向へ進んでいるように感じて、道が間違っているかと思っていたら、いつの間にか方向が変わって山肌の北東斜面から南斜面に出てきました(写真:上中・上右上下)。
   
 南斜面に出てくると、漸く勾配が緩みました。写真:上左は、振り返って東方面。一番奥・左手が高越山です。手前のひとつ後ろの稜線が、先ほど越えてきた笠仏峠辺りだと思います。民家は、ぽつぽつと見かけられ、山側と谷側への分岐もひとつふたつ確認できました。次回訪れることがあれば・・・。笠仏峠手前から見えた雪山がここからも見え、特徴的な山頂付近の形から、おそらく黒笠山だと思われました(写真:ひとつ上右上)。半鐘の後方付近が矢筈山辺りでしょうか。南側下方を見ると、半田川に沿った集落が見えます(写真:上右)。この位置で、土々呂滝がある大藤谷川(六地蔵方面に登る時に一番多用する経路)と半田川の分岐までやってきているかどうかくらいのようです。もう少し進んでいるつもりでしたが、登りが遅いので距離間隔もおかしくなっていました。
 上の写真は、西南西くらいでしょうか。ここでも方向感覚があやふやです。地形図でも確認してみましたが、枯れススキ後方の山肌に見えるのは中熊という集落付近かと思います。確か、眺めながら写真の一番奥左上付近が桟敷峠に向かう道から風呂塔への分岐部くらいと思っていたので。はっきり見える稜線が風呂塔か火打山だと思うのですが、間違っているかもしれません。正しければ、左後方の稜線は烏帽子山辺りでしょうか?
 山肌の中央部付近を西走する道は、少し下りの部分もあり。写真:下左端は猿飼という集落などを通過したところにあった、ちょっと変わった立体的な造りの三叉路です。壁面の小さな表示の拡大がその隣の1枚。一連の山村と思っていましたが、このすぐ東側が東みよし町とつるぎ町の町境だったようです。下ってきた奥の道脇に通行止めの案内表示がありますが、下方だったのでその時は関係ないと思って進みました。写真:下右から2枚目は、大藤付近までやってきて、走ってきた猿飼集落方面を振り返ったところ。下右端の写真、これも定番ポイントの1枚。先に西南西に見えていた中熊集落が対岸南東斜面に見えます。手前の谷が大藤谷川筋。奥は上喜来という集落辺りでしょうか。この付近地形図を見ていると、盲腸線となった道奥にも家屋のマークが点々とみられますが、実際は廃屋になっているところも多いのではないかと思われます。

立体的な三叉路

三叉路の表示

振り返って、猿飼方面

中熊集落方面
 大藤谷川を挟んだ対岸の山村集落を眺めながら大藤集落内をゆっくりと登っていたら、次第に雲が下りてきました。写真:下左、わかりづらいですが、走っている周囲でも雪が舞い始めました。暖冬といわれた今年、雪道はもちろん、降雪にも出会ったことがなかったなあと前日に思っていたところでしたが、雪を望んでいたわけではありません。この辺りまでは、まだ余裕でした。
 構えわず登り続けますが、大藤集落の外れ当たりで随分と本格的に降り始めました(写真:下左)。向かう予定の西の空も真っ暗です。しばらく木の下で凌いでいましたが、これはダメだと少し戻って、直前に確認していた集会場横にあった小屋へ避難。火の見やぐら様付近の下右の写真は、この小屋で避難中の一枚です。雨雲レーダーを見ると、30分もすれば雪雲は過ぎ去っていくような予報でしたが当てにはならないようにも思えました。避難したのが、11時くらいだったと思います。
 15分ほどして小康状態になったところで、もう一度降り始めたらダメだなと、諦めて下ることにしました。上述の大藤集落手前あった通行止め表示から下って、コーンと横棒で閉鎖されていたところも横から入って進んだところ、なんと日曜日なのに工事中。おまけに10m近くにわたり路面は完全になくなっていて、鉄骨枠組(太さ3pくらいで作製)だけとなっていました。これでは工事をしていなくても進めません。下の地図は、この日の後半部分。避難していた集会場は、右から3つ目と4つ目の矢印の間くらい。そこから、大藤西の表示の下方付近まで下ったところで工事中でした。
 仕方なく引き返していたら、雲が切れて、また陽が差してきました。時刻は11時半くらい。なら行くしかないかと、再び大藤集落を通過して先へ進むことにしました。写真は、ちょうど陽が差してきたところ。降雪が激しかった時は、とても写真と撮るどころでなかったし、工事区間も写真撮影はちょっと憚られました。さらに登ると、これも記憶にある手入れの行き届いた杉林区間(写真:下右)。木漏れ日がわかるでしょうか。なんと路面が乾いたところもあったので、雪はかなり局所的に降っていたようです。北方向には少し青空ものぞいてきました。
 思い切って引き返して良かったなあと思いながら進んでいたところ、またまた雪雲襲来です。六地蔵や高冷地野菜などのハウスがある稜線まで来ると、青空は完全隠れてしまい、雪が降るばかり。しかし、もうここまでやってきたのだからと先へ進みます。ハンググライダー基地も遠目に雪化粧(写真:下左)。いつもなら抜群の展望があるので絶対立ち寄るハンググライダー基地からも何も見えないと素通りして、やっとこさ、この日本来の目的・林道三蔵窪線の分岐部に到着したのは12時半過ぎでした。写真:下右のように、かなりの降雪。ただ気温が低いため、雪は払うと落ちてしまうので濡れることがなかったのが幸いでした。ここからの道は、国土地理院地形図で三加茂方面、もしくは加茂谷川方面に繋がっているらしいことを確認しただけです。どんな道なのか、果たして地形図通り麓まで通じているのかさえ覚束ない状況。この雪の中、途中で行き止まりだったら・・・。
 しかし、ええいとばかりに先へ向かいました。進んでみると、道はまだ新しいアスファルト舗装です。落ち葉と道脇には少しばかりの積雪。しかし、寒かったですね。特に指先。今年は手袋2枚重ねが一度もなかったのですが、この日はもう1つ持ってきていたら良かったと後悔しました。とにかく下りきることが目標、通れることが確認できたら再訪すればいいやと思いながらでしたが、少し進んでいるうちに雪は小降りになってきました。道両側は落葉した雑木林のところが多く、新緑の頃は絶対にいいと思われました。寒さで余裕もなく、もう写真は撮らなくてもいいとさえ思っていたのですが、せっかくなので停車して撮影。道は極緩やか、路面状況も上々です(トップの写真)。下りきるまでこんな道なら、今度落合峠を訪れる時はこのコースだな、と思ったのも途中まで。
 
 いきなり未舗装となりました。あらら。勾配の緩い一部では、ぬかるんで水溜まりもあってどろどろです。まあ雪も止んだし、と下っていたら、今度はコンクリート舗装。途中、20%近い激坂も。とてもこちら側から登れる気がしません、前言撤回です。見晴らしはほとんどない道ですが、一ヶ所だけ見えた北への展望(写真:上右上)。奥は阿讃山脈、ちょうど滝の奥付近の集落が確認できます。
 下っていくと、周囲は鬱蒼とした杉林であったり、間伐され手入れの行き届いた明るい杉林もあったりと様々です。未舗装となった辺りから、落葉雑木林はあまりなかった記憶です。舗装は上部から進んできたようで、下方の道は以前からのままだと思われました。未舗装部分の路面は、写真:下右のような状況です。やはりこちらから登るのは厳しそう。ロードバイクではお薦めできませんね。写真でもわかるように、この辺りまで下ってくると陽が差してきて、気温も少し上がってきました。
 地形図では結構分岐があるように見えたので、迷うのではとも懸念していたのですが、道なりに進むとほぼ迷うことなく下ることができました。分岐は2、3ヶ所ありましたが、いずれも主道ではないのが一目瞭然(写真:ひとつ上右下)。道は分岐部からかなりの部分まで北方向に進んでいきます(上地形図参照)。終盤は山肌に沿って西へ下っていきます(地形図では上に切れています)。道脇が再び雑木林になると右手の裸木の間に吉野川の姿がチラッと見えるのですが、枝が邪魔をしてすっきりと見渡せる所はありません。
 かなり下って、最後に北へ向いて、下りきったところは徳島本線三加茂駅のすぐ横でした(写真:上右)。国土地理院地形図でほぼ全線をトレースできました。全行程実測60q弱、積算標高は登り返しも含めて1700mくらい、所要6時間でした。

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