雪割り桜 と 風の里公園 (付:林道床鍋倉川線・林道床鍋川ノ内線)
 2、3年前からだと思いますが、毎年早春にXXさんが・高知の早咲き桜の話題をブログにアップされていました。写真を見ながら、是非一度満開の時に訪れてみたいものだと思っていました。一方、国道197号線を走っていると頭上に見える山稜線に並ぶ風力発電の風車群を縫うように走れる道があることを、くにさださんが前年夏に走られて報告してくれました。こちらも是非走ってみたいと思っていました。この日は移動性高気圧に覆われて晴れの予報。うまい具合に雪割り桜も満開に近いように思われたため、二つの場所を繋ぐ周回コースを走ってきました。  (2019年03月10日 記)

桑田山・雪割り桜
 午前5時、徳島出発。時間節約のため、高速道路で一路高知へ。途中休憩を含めて須崎・道の駅「かわうその里すさき」まで。スタートは午前8時過ぎとなりました
 まずは、雪割り桜の桑田山へと向かいます。須崎市街を走る県道388号線を抜けて、国道56号線を200mばかり走ると左手・国道494号線へ。当初は、国道494号線のトンネル手前で左折するのがわかりよいのかと思っていましたが、雪割り桜の幟につられて予定より手前の町道で右折します。早速登り道が始まりました。少し進んだ宿泊施設を越えたところで、右手からの道と合流。
コース 須崎-桑田山-風の里公園-布施坂-床鍋倉川線/床鍋川ノ内線-須崎
走行距離  100キロ弱   積算標高 約2200m
最高地点  風の里公園  標高1000m 
走行日  2019年 3月 2日 天候:晴れ FELT F1
 進むと、山肌に点在する民家の間に満開の桜を見ることができました(写真:下左)。実際は、山肌にもっと沢山の桜が点々と見えて、桃源郷ならぬ桜源郷と呼びたいような光景が広がっています。
 道に沿って、ゆっくりと登っていきます。朝、まだ早めの時間だったので、観光客はまばら。ちょうど一番の見所と思われる付近に設けられていた簡易造りのお店もまだ開いていませんでした。勾配はそこそこあるのですが、道沿いの満開の桜を楽しみながら、ゆっくりと登れば、しんどさはありません。ちょっと登ったところで、写真を撮っていた人が(常連さんらしい)、「ここからが一番いい眺めだよ、それとすぐ上のお墓のところからも」と教えてくれました。すぐ手前の分岐を左手から回るようにして、頭上にあったお墓のところから眺めたのが、トップと下の写真。その後、まだ上へと登ってみましたが、確かにここがベストポイントかと思われました。
 ところで、雪割り桜。本名はツバキカンザクラと言って、カンザクラの交配種だそうです。濃いピンク色なのでボリューム感がありますが、近寄ってみると八重ではなく一重・5枚の花弁です。下向きに垂れ下がるように咲いています(写真:一段上、右上)。
 もう少し上へ行くとどんな具合かなと、さらに少し登ってみました。標高400mくらいまででしょうか。ちょうどベンチが設けて立ったところで、休憩。須崎市街と太平洋が見えます(写真:下左)。かなり靄っていたのが残念。最後と思われる民家を過ぎてからは、大分路面が荒れてきたのと、ここより上にはあまり桜がないようだった(上述の方もそう言われていた)のと、この後1000m以上の登坂があることも考えて、蟠蛇森山頂まで登ることは止めて、ここから下ることにしました。
 最初に右折した町道まで戻って右折して、今度はやって来た道と反対方向へ向かいます。田舎田舎した鄙びた道をちょっと登るとトンネル(写真:下左)を抜けて、下ると県道315号線に突き当たって右折。俄然、交通量が増えました。
 
 県道315号線の広い2車線道を登って、またトンネルを抜けて下ると、国道197号線に右折です。前方には、これから向かう風の里公園の風車群が稜線に見えてきました(写真:右)。
 国道197号線沿いをはじめ、この後、行く先随所で雪割り桜と同種と思われる満開の濃いピンク色の桜をみました(写真:上右)。この地域では、この種の桜が多く植えられているようです。
 当初の予定では、まず布施坂方面に向かって時計回りのつもりでしたが、少し進んだところで「風の里公園まで9.8q」の表示を見つけました(写真:下左上)。鍵野々という地区です。地形図を見ると、稜線から国道197号線に下る道は途中でいくつかの分岐があり、途中で迷ってしまうことも危惧したので、それならと、この表示に従って予定と逆回りとすることに急遽変更しました。写真:下右、広角なので高度感がわかりませんが、稜線は見上げるばかりです。時計回りだと、急坂が予想されます。ちなみに分岐部の標高は100m、稜線付近は1000m。
 写真:上中上は、黒川という集落付近。石積みの段畑の間、所々に大きな岩が残っています。神山・江田の菜の花畑でも似た光景を見ましたが、単に耕作しにくかっただけなのか、それとも他に意味があるのでしょうか。ほぼ無風で暑くなってきました。シューズカバーはもちろん、手袋も上着も脱いで、足元は膝までたくりあげても、まだ暑いくらい。そんな気温のためか、徳島ではまだ硬い蕾だったハクモクレンがもう満開近くになっていました。
 最後の民家を過ぎるとコンクリート舗装の急坂になりました。このままコンクリート舗装が続くのかとげっそりしましたが、進むとまたアスファルト舗装に戻りました。しかし、勾配は緩むことなく、展望はほとんどなく、杉木立の中を走る道が続きます(写真:上左下)。写真:上中下は、地図で確認していたふたつの分岐のひとつ。画面の右手方向から登ってきて、左前方へ進みます。風の里公園まで5.3qの表示。まだ半分以下。手前に下ると国道197号線の表示があります。出発点の西側に下るようです。
 急坂が続き、写真撮影という名目以外にも休憩を何回も取りながら進みます。写真:上左上は、3つほどある大きなつづら折れの中で、最後の東側コーナー。写真が小さいのでわかりませんが、稜線近くにガードレールが見えます。この稜線の道、国土地理院地形図では西側・県道378号線に繋がっていません。稜線の東側にも道が繋がっていませんが、Google mapでは、西側も東側へも道が繋がっていますし、私が登り始めた地点よりさらに東側からも山腹途中に道が繋がっています。このコーナーを回ると、漸く稜線が近づき、前方に風車群が見えてきました(写真:上中上)。
 写真:上左下は、稜線南側から北側へ移るポイントから、南方面。先に走ったコースは、この山中のはずですが、春霞ではっきりしません。写真:上中下は、北側に出たところ。左手に進むのですが、右手にも道が伸びています。北側へ出ると北北東を中心とする展望が広がるのですが、土地勘がないのと靄がかって、山名などを確認することはできません。写真:上右は稜線区間で唯一逆向きに走るところ。杉林が多いこの道沿いでは数少ない両側が落葉樹の区間です。新緑の頃は良さそう。
 やっと風の里公園の東端に到着。麓から9.8qに、1時間40分くらい要しました。靄っていたのが残念ですが、それでも風力発電1号機(東から順に20号機あり)からの眺めは最高です(写真:上)。須崎から新庄川に沿う道筋がずっと見えます。ほぼ中央に見える高い山は、先程中腹まで登った蟠蛇森でしょうか。写真:下左、真下には登り始めの麓付近の集落が見えます。かなり登って来ると、途中からも時々真下に登り口付近の集落を見ることが出来たのですが、やはりここからの眺めが一番高度感があります。ちょうど正午過ぎだったので、一服した後、稜線を西へと進みます。写真:下右は、1号風車から少しのところから西へ向かって。20機ある半分くらいしか見えません。
 稜線を少し進んだところ、1号風車の下にあったイラストマップ(写真:下左)に、6号風車付近にはカルスト地形があると記されていました。写真:下右、わかりづらいですが、道脇の岩がそれらしき様相を見せています。登る途中にも、道端にコンクリートの残骸?と思われる岩石をいくつか見ていて、石灰岩かなと思っていたのは間違いでなかったようです。
 再び稜線の北側に出ると、向こうには特徴的な鳥形山の姿(写真:下左)。以前にK氏と登った山頂の展望台は、写真の中央部の飛び出た付近でしょうか。さらに北西方向には、四国カルスト方面(写真:下右)。靄っていなければ、天狗荘や姫鶴平の大きな風力発電風車も確認できたと思われます。天狗高原から見ると、南東方面に、こちらの風車群を見ることができることを何度か確認しているので。
 標高1000m付近を多少上下する稜線の道を進んでいたところ、11号機だったかを過ぎたあたりで道が二手に分かれていました。路肩の白線は右手・下る道に繋がっています。左手は風車に向かっていますが、分岐に道表示はありません。そこまでにも風車までだけの道もあったので、そろそろ下りかと思い、10%の表示がある道を下り始めました。ところが、少し下ると180°カーブして下っていきます。どうも違うようです。一旦下り始めた急坂を登り返して進むと、左手が正解でした。帰宅後確認すると、右手に進んでいたら、とんでもない遠回りになるところでした。
 
 写真:下左は、20号風車の下から東方面へ振り返った一枚です。沢山の風車が一度に見られるポイントは、3段上・右の写真と、この2ヶ所意外にありませんでした。この日は風が弱く、風はほとんど回っていませんでした。ここで、ようや「く四万十源流こちら」の表示があって、安心して先へ進むことができました。まだまだ続く杉林の道を走って、県道378号線への合流部(写真:下右)に到達したのは 13時過ぎ。僅か数キロの稜線の道にも1時間近く費やしました。この道も以前にK氏と走っています。国道439号線の矢筈トンネルを抜けて下りになるとばかり思っていたのに、また登らされて辟易したことははっきりと覚えているのですが、この分岐は全く記憶になし。真新しい表示の横に平成19年とありましたが、走ったのは2009年(平成21年)。道はあったのでしょうが・・・。
 写真:上右、表示板の後方から稜線を走ってきました。右手奥が、直ぐに峠です。峠から振り返ると、また特徴的な鳥形山の姿(写真:下左上)。少し下って、四万十源流点への分岐(写真:下中)。ここもK氏と走った時に、また登るのかよと顔を見合わせたところ。ここは記憶に残っていましたが、この前後の下り道の光景は全く記憶に残っていませんでした。写真:下左下は、中村という集落付近だと思います。国道197号線までは、まだ大分あると思っていましたが、下り道だったので意外と早く船戸の集落に到着。 船戸からは国道197号線には出ずに、先日走ったばかりの旧道を逆走。記憶通り緩い坂で、程なく峠へ。また先日と同じ場所で撮影です。走ってきた風車のある稜線が一望できました(写真:右下)。
 そのまま下って、県道377号線にぶち当たったところで、前回走ってきたのとは反対方向へ進みます。ここには、前回も記載したように、十分に手入れの行き届いた美しい造形美の茶畑があります(写真:下2枚)。下っていくと、茶畑は前回感じていた以上に充実しています。何度も立ち止まって写真撮影。その後走ったこの県道377号線沿いには茶畑が沢山見られましたが、ここほど整然と良質に育成されていたところはありませんでした。所々には、ソメイヨシノと思われる樹が植えられています。満開の頃、そして新茶・茶摘みの頃は、さらに新たな良さが引き出されそうです。
 写真:下左2枚は、1段上右の写真:布施坂の峠から正面の山肌に見えていた茶畑です。民家が集まっているのですが、ここは上記の場所と比較すると、少し手入れが行き届いていないように思われました。写真:下右から2枚は、さらにもうひとつコーナーを下ったところと、さらに先へ下ったところ。ここにも雪割り桜と思われる濃いピンクの桜が満開でした。その後、国道197号線を頭上に見ながら県道377号線を快適に下って、国道197号線に合流。この時点で14時だったら、その後前回走った後に地形図を眺めていて見つけた、国道197号線と県道377号線を結ぶ二つの林道を走ってみようと考えていました。
 時間は14時を15分ほど過ぎていましたが、往路時に風の里公園へ右折した少し下流で確認していた分岐を右折します(写真:下左端)。毎度事ながら、肝心の分岐部をしっかり把握できおらず(なぜか紙コピーもこの部分だけ忘れて)、ふたつある林道の東側か西側かと迷いながらの右折でした。が、トンネルのある西側の林道床鍋倉川線であることを、表示板(写真:下左から2枚目)で確認することができました。ふたつの林道の正式名も覚えていませんでしたから。表示板手前まであった民家もなくなって、少し登ると床鍋倉川夢トンネル(写真:下右から2枚目)。夢のようなトンネルとは思えませんが、長さは、なんと1080m。照明も省エネされて少し暗め、1車線だったのでクルマがやってきたら嫌だなと思っていましたが、林道全線で出会ったクルマはゼロでした。トンネル南側は北側より直線部分が多く下りやすかったです。下って、先日走ったばかりの県道377号線を500mほど走ったところで、前回も確認していた学校跡らしい建物を利用している施設(写真:下右端)を横目に左折します。
 行く先には、鉄橋のような鳥形山からの鉱石ベルトコンベヤーが見えます(写真:下中上)。下を通る時、ベルトコンベヤーが作動していると思われる音が聞こえました。そのすぐ先に通行止めの表示と柵があったのですが、大きく道端に避けられていたので解除されているのだろうとそのまま進みました。通行不能なら引き返せばいいやと思いながら進むと、道の中央部は苔生していて路面には多少の枯れ枝や小石が見られたものの(写真:下左)、先に進むとクルマが入っているらしく路面状況も少し改善(写真:下中下)。ただ、うろ覚えの地形図では床鍋倉川線がトンネルなのに、こちらの道はうねうねと曲がって峠となっていた記憶。この日、久しぶりに1日の積算標高2000mを越えるなと思っていたら、積算2000mを越えてもまだまだ登りが続きます。幸い勾配が緩やかだったので、疲れ切った脚でもなんとか登りきることが出来ました。
 漸く到着した峠には、ちょっとした広場があって、先程走っていた風の里公園の稜線を見ることができました(写真:上右上)。そこからは下り。少し下ったところで、「この100m先工事中」の表示がありました。進むと、そこそこの規模で崩落があったと思われるところがありましたが、斜面はネットなどで補強が成され、路面はつい最近掃き清められたと思うような状況。ちょうど工事が終わった直後だったのかもしれません。そのまま下っていくと、川の内集落手前で、登り始めに避けられていたのと同じ柵が道を阻んでいました(写真:上右下)。こちらからだと進むことを諦めていたこと間違いなし、反対方向からでラッキーでした。その後は国道197号線でデポ地へ。16時過ぎに到着。100q未満に8時間要しましたが、ほとんどが未走の道で、雪割り桜と風の里公園周辺からの展望も満喫できた、楽しい一日となりました。

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