岡山空港から北へ
 この日は、岡山にちょっと所用がありました。せっかくなので少し走ろうと前日に地図を眺めながら考えたコースは、いつものようにできるだけ走ったことのない道を繋いでのルート設定としました。特にこれといった見どころがあるわけでもなく、新緑や紅葉、桜の開花にもまだ早いこの時期でしたが、初めての道はやはり楽しいものです。後半は迷走もあって体力・時間切れに近くになってしまいましたが、今回も自転車で走って心地良い道を見つけることができました。 (2020年 2月28日 記))

県道372号線 (円城〜国道484号線間)
コース  岡山空港−御津−加茂川−吉備中央−大平山登り口−円城−建部−久米南町迷走−建部−岡山空港
走行距離   105q  積算標高 1600m
最高地点   県道369号線・大平山登り口付近 標高440m
走行日   2020年 2月23日   天候:晴れ   GIANT TCR
 
 午前6時に自宅を出発。経費節減のため下道で坂出ICまで向かうことも考えましたが、時間的節約を優先して高速道路利用。デポ地の岡山空港東隣りにあるスポーツ広場まで約150q、ゆっくり走っても2時間で到着できました。8時20分頃にスタート。自宅出発時は9℃とかなり暖かかったのですが、現地は4℃と寒い出足となりました。
 まずは県道72号線を北上します。道はきれいな2車線で、結構交通量が多かったです。地図上では複雑に交差しているように見える勝尾峠付近で、県道367号線へと右折。交通量が減ったのと、下りになって一息つきました。しかし、寒かったです。宇柑川を渡ると左折して、今度は県道31号線を西進します。
 左 県道367号線 宇柑川を渡る
 右 県道31号線沿いの光景
 県道72号線の交通量が多かったので県道31号線はもっと多いかと危惧していたのですが、県道367号線同様クルマの通行は少なく快適に走れました。横手に流れる宇柑川に沿って極緩やな登りですが、向かい風で勾配以上にきつく感じました。周囲には小高い山とその裾野に集落が見られる風景が続きます(写真:上右・下左)。山肌は落葉樹が多いようで、若葉の頃は緑がきれいなことでしょう。途中、宇柑渓というところ(写真:下右)があって立ち寄ってみましたが、川の水も濁っていて、美しい川を見慣れている身にとっては、なんていうことのない光景でした。新緑の季節なら、また違った雰囲気なのかもしれません。
 宇柑川は旭川の支流ですが、それほど大きな川ではありません。中国地方ならではの緩やかな勾配ですが、とにかく堰が多いのに驚きました。次々と小規模な堰が続きます。田畑に水を引くためでしょうか、それとも水害対策? いずれもそれほど新しいものではなく、中には随分古いのだろうと思われる石造りのものも見かけました。
 左、左上、上、右
  全て県道31号線沿いの光景
 道沿いには黒塗屋根の民家が多かったのですが、西進していくと、写真:上右のような石州瓦を思わせる赤茶系の屋根も見え始めてきました。下の写真は、この県道31号線沿いで(個人的に)一番目を引いた民家です。手前に宇柑川と大きな落葉樹。もう少し進んだところからのほうが民家の庭先も見え、建物との対比から落葉樹の大きさがよくわかったのですが、写真撮り損ました。その先には、赤茶系屋根の大きな家も何軒か見ました。比較的新しいと思われる造りの民家でも、この屋根瓦を使用しているところもあり、建物と屋根が違和感なく溶け込んでいました。
 少しだけ勾配が増して宇柑川が小さな流れになってしまうと、これも中国地方特有の光景、峠ではなくて、また平地が広がっています。吉備中央町です。豊野小学校のところで右折して、県道369号線を北へと向かいます。以前に大平山に登った時の分岐部を少し超えるところまで。逆走だったこともありますが、当時の記憶は全く残っていませんでした。登り道ですが、この日唯一だった追い風に背中を押してもらいました。写真:下左は、大平山への登り口を少し北へ超えた付近。周囲の田畑は、県道31号線沿い同様、圃場整備されているようで、何処も直線的に区切られていました。
 そこを過ぎると、奥吉備街道と名付けられた広域農道とクロスするところで右折。今度は東進ですが、広域農道はあまり味わいがないことが多いので、500mほど走ったところで再び右折して、下土井方面へと向かいました。地図上の表記から、もっと細い道かと予想していましたが、大部分は2車線で、そこそこの下り坂。あっという間に下土井に到着。
 県道66号線に左折して少し北上したところで、また右折して県道372号線へ。東進しますが、道はまた登りです。写真:上右と下左は、この区間で撮ったものですが、具体的な場所が記憶に残っていません。種類は異なりますが、いずれも周囲は落葉樹林で、新緑の頃はさわやかだろうなあと思いながら撮ったものです。写真:下右上も県道372号線上にて。おそらく県道372号線が一番北に張り出した最高地点くらいからだと思います。中国山地ならではの、なだらかな山並みがずっと向こうまで続いています。写真ではわかりにくいですが、一番奥には少し高い山並みが見えました。北北東くらいだったので大山ではなく、氷ノ山にしては北方向でしょうか。
 左 落葉高木が並ぶ道筋
 上 県道372号線から北へ
 右 県道372号線の切通
 県道372号線は、道の駅「かもがわ」のところで国道429号線と交差します。そのまま県道372号線を東進したのですが、この交差点を境に道の様相が西側と東側とではがらりと異なっていました。そのため、こうして記録を書くために地図を再確認して、同じ県道372号線だったことに初めて気づいた次第です。それくらい幅の広い2車線道がほとんどだった西側に比べて、東側の道は幅狭い1車線の道となって、同じNo.の道とは思えなかったのです。しかし、そんな東側の道こそが個人的好みです。トップの写真・下左の写真、いずれもこの東側区間でのもの。中国地方を東西に走っていると、時々遭遇する雰囲気の道です。四国にも同じような道はあるじゃないかと言われるかもしれません。否定はしませんが、やはり自転車で走って一番楽しい道。当然、クルマはほとんど通りません。初夏は透明度の高い緑のトンネルでしょう。
 小さな名もない峠を越えると、道は下り坂。一転して周囲には杉木立が多くなりました。まもなく国道484号線に合流します。2車線の道に出た、またここから少しクルマが増えるかなと思ったのですが、写真:上右のように、すぐに県道372号線と変わらない1車線の道となりました。クルマもほとんど通りません。国道に合流して、すぐのところが山の神峠というピークで、そこからはこれも旭川の支流に沿って緩やかに下っていきます。川底と道路面との差がないのが、四国とは異なることです。写真:下、とても国道とは思われない光景です(徳島県内にも国道193号線や国道439号線なんて酷道もありますが) 。
 国道484号線を下り切ると建部町福渡という町(写真:下左端)。ここに正午までに到着できたら余裕だなと思っていましたが、過ぎてしまいました。が、まだ時間はあるので、予定通り旭川の東側へ進んでみます。国道53号線はとても交通量が多そうだったので、福渡の郵便局の角を曲がって北へ。石引乢という小さな峠を越えますが、直前は15%を超えるような坂でした。下って、国道へは出ずに旭川沿いの土手道を北上します(写真:下左から2枚目)。津山線・神目駅を過ぎてすぐのところで右折するところまでは予定通りだったのですが、ここから繋ぎで走った農道で迷ってしまいました。おまけに念のため持参していた紙地図もこの付近で紛失してしいました(あってもあまり役にたたなかった)。本来は県道467号線へ出て、県道468号線へと南下、御津金川にでる予定でした。まず一度間違えて少し戻り、今度は正解だと進んだ道が、いつの間にかずれていました。太陽の方向から、どうも間違っているようとGPSで確認したら、県道467号線より西側を離れていくような道を走っていました。
 時間的余裕もなくなり、予定変更で一番近くで旭川沿いに下ろうと思って進んだのですが、その後まだまだ登らされる羽目になりました。写真:上右から2枚目は、最後のピークとなった上山牧場付近です。この左手は旭川の谷筋です。標高差は180mほどあるので、何処か見晴らしのいいところがないかと思ったのですが、結局川筋を見渡せる場所はありませんでした。下り切ると建部から津山方面に走った時の走り始めだった大宮橋のすぐ近くで、これも国道53号線を外すため、端を渡って旭川の右岸を進みます。ちょうど列車が走ってきたので1枚(写真:上右端)。右岸に道がないところでは熊見トンネルを越え、最後は御津宇垣から県道61号線でデポ地へ。この道も200mくらいの登りと空港へ向かう道なので交通量が多いのではと懸念していましたが、クルマは少なく勾配も緩やかだったので、なんとか所用の時間ギリギリに間に合いました。
 所用後、帰路は経費優先で坂出ICから下道。復路は3時間ほどと、やはり時間がかかりました。

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