讃岐平野の山をめぐる (五色台、城山、青ノ山、大麻山、朝日山)
 徳島県と異なり、香川県には奥深い山がほとんどありません(香川徳島県境の阿讃山脈に、かろうじて1000m前後の山が2つ、3つ存在するのみ)。そんな香川県の讃岐平野と呼ばれる平地には、お椀をひっくり返したような山がぴょこぴょこと散在しています。生まれ育った土地なので見慣れているのですが、先日一緒に走った徳島生まれ育ちのすーさんから見ると不思議な光景らしいです。いくつかの山は山頂付近まで自転車で登ることができます。圧倒されるほどの高山ではありませんが、瀬戸大橋を含む備讃瀬戸や讃岐平野の展望も開け、それはそれでなかなか趣のあるところが多いです。これまでに走った主として中讃の山をまとめてみました。高山とはまた一味異なった魅力のある山々、また随時訪れて内容を更新予定です。 (2013年 3月 30日 記)

大麻山から北西、 讃岐富士・飯野山、右後方が城山、五色台(2004.08.14)
コース  橘ノ丘−下笠居−五色台−大崎鼻−坂出・高屋−五色台−鬼無−城山−青ノ山−聖通寺山−橘ノ丘
走行距離  約135キロ 
最高地点  五色台(標高480m) 城山(標高462m) 青ノ山(標高225m) 大麻山(標高616m) 朝日山(標高238m)
走行日  2013年 1月20日(上記コース) 他    ロード・MTB  
 一番最近に香川の山々を走ったのは、2013年1月20日。前日の飲み会時にすーさんと急遽明日何処かへツーリングに行きましょうとの話になり決定。行き先は私自身が近々訪問しようと思っていた中讃の山々となりました。この日は、2日前に降った雪がまだ残っているという肌寒い一日でした。コースは上記地図参照。
 五色台の南に位置する橋ノ丘総合運動公園からスタート。まずは旧国道55号線を高松方面に向かい、県道16号線から下笠居で左折、県道180号線で五色台へと登りました。何度か自転車で訪れている五色台ですが、初登攀は1976年夏、このコースからでした。その後長らく遠ざかっていて、2度目の訪問・2006年1月7日まで、なんと30年要しました。

五色台から瀬戸大橋 2006.01.07 

五色台スカイライン北端・大崎ノ鼻への下り 2006.04.01
 高松側からのこの道は北西方面の見晴らしが楽しめます。高松市街や屋島、備讃瀬戸には女木島や小豆島、さらに岡山県まですぐそこに見えます。特に四国霊場のひとつ・根香寺への分岐手前辺りからの眺めが一番でしょうか。五色台をホームグランドのひとつとしているmasaさんのブログによると、根香寺は紅葉の時期が素晴らしいようですが、まだ訪れたことがありません。今回走ってみると、以前の記憶では、もう少し勾配が緩やかだったような記憶でしたが、年とともに落ちてきた力のためか、思っていたよりややきつく感じました。根香寺の分岐を過ぎると西側の展望はなくなります。
 暫く進んで右折、その昔は有料道路・五色台スカイラインだった道を北進しました。途中でスカイラインを左折して、五色台休暇村や自然科学館に寄り道(いずれも瀬戸大橋や城山などの展望良好)しながら、大崎ノ鼻へ下りました。スカイライン沿いには桜並木があり、開花時には訪れたことがないのですが、さぞ見事な桜ロードではないかと思われます。

城山から備讃瀬戸、右手の山が五色台・高屋方面 2009.09.20
 海岸線まで下ると、再び県道16号線で坂出方面へ。この道途中に1年で2月と10月の4日間限定でだるま夕日が見られるポイントがあるそうです。備讃瀬戸には島が多く、なかなか水平線に陽が沈むことがないので、ぜひ一度拝みたいものです。
 今度は高屋町から白峰寺を目指して再度五色台登攀。この高屋町からの道が(拡張工事が進んでいました)一番緩やかだと思います。この道からは、当然西側の展望が開けています。登りきって先ほど下ったスカイラインの分岐部を少し東へ進んだところから、今回初めて通る鬼無方面への道を下りました。五色台への4本の道でおそらくもっともマイナーなこの道は、クルマもほとんど通らず快適でした。最後は盆栽通り(鬼無周辺は昔から盆栽で有名)を通って、再び旧国道11号線(現県道33号線)に出ました。そこから少し西進して次は鴨川から城山ですが、このあたりにはさぬきうどんの有名店が目白押しらしいです。

城山、ゴルフ場の向こうに瀬戸大橋 2009.09.20

城山山頂から南・阿讃山脈方面 2006.04.01
 鴨川から城山への道も数度目。比較的緩やかなのですが、これもまた寄る年波に勝てずか、記憶よりきつく感じました。この道沿いにもソメイヨシノが多数植えられています。もう大分古い樹ですが、満開の時期には華やぐことでしょう。東側に五色台や、北東方面には備讃瀬戸を眺めながらノンビリと登りました。山頂には香川県でおそらく最も歴史のあるゴルフ場があります。

城山山頂から南東・府中湖方面 2009.09.20

城山から南備讃瀬戸大橋 2009.09.20
 城山山頂は、そのゴルフ場の南側。こじんまりと整備されていて小さな展望台がありますが、ここからの展望は、北・備讃瀬戸方面より南側の展望が素晴らしいと個人的には思っています。西側には、すぐ手前に讃岐富士・飯野山、その左手後方に大麻山、南側直下を松山道が走っており、讃岐山脈までの間には、ため池が多数。

青ノ山から瀬戸大橋全景 2009.09.20
 城山からは西側・飯山方面へと下りました。こちらはかなり急勾配です。その後は坂出方面から青ノ山を目指しました。青ノ山山頂からは瀬戸大橋の眺めが素晴らしいのですが、2009年に初めて訪れた時には、登り口がわからなくて右往左往しました。ところが、今回も同様。すーさんと二人でウロウロ。迷うこと3度。結局、山をほぼ2/3周して、すーさんのGPSのおかげでなんとか登り口(小さい山ながらも4つほど登り口があり、初回時は南から、今回は西から登って東に降りました)を確認して登頂。

青ノ山から北へ、眉山瀬戸 2009.09.20

青ノ山から南へ、讃岐富士・飯野山 2009.09.20
 山頂北側にある展望台から瀬戸大橋の眺めは写真上の通り。2013年時はやや靄がかっていてあまり条件が良くなかったので、写真は2009年に初めて訪れた時のもの。南側には讃岐富士・飯野山。その後、聖通寺山に登って(一番の展望地はブライダルサロンが占拠していてがっくり)、最後は瀬戸大橋記念公園に立ち寄りました。可能なら、さらに大麻山にも登ろうと企てていたのですが、時間・脚とも売り切れ終了でした。

大麻山
 大麻山は、有名な「金毘羅さん」の裏山です。ずっと以前、まだ香川県に住んでいた40年近く前から、一度あの山に登って讃岐平野を見下ろしてみたい(頂上にはテレビ塔?があり、車でも登れる道がついているはずだと確信していたので)と思っていました。初めて登ったのは、お盆に帰省した2004年8月。早朝からMTBでアタックしました。しかし・・・。
 午前6時前に出発。前日地図でどのアプローチが一番いいか、いろいろ考えた末に達した結論。まず財田川沿いを本山まで遡り、県道24号線から23号線を辿り、大麻山の南端に出て、西側斜面をトラバースする道を登り、北側に下るコースと設定しました。
 本山までの財田川沿いは「四国の道」として整備されており、MTBで走るのには上々。県道24号線・23号線は、旧道をそのまま拡張したような緩やかなカーブを繰り返す道で快適でした。いつもながらに徳島と違って、どんな田舎道も広く整備された香川の道に感嘆です。大麻山・南端には、小1時間で到着。地図で確かめながら、登り口へ方面へと進みました。辿り着いた登り口付近は、予想とは随分異なって狭い道だなあと思う間もなく「落石注意、通行止め」の標識が道路中央に・・・。

国道377号線からの登り口・通行止め  2004.08.14

大麻山から北北東、讃岐平野と備讃瀬戸 2004.08.14
 無視してさらに進みましたが、今度は道を鎖で封鎖。ここで引き返したら良かったのかも知れませんが、MTBであるとの安心感?が前に進ませました。と、まもなくダートに。「地図では北側と同様結構太い道の表示なんだがなあ」と思いながらも進むと、道はどんどん狭くなり、両側からは雑草が鬱蒼と繁ってきました。勾配もどんどんきつくなります。おまけに時折顔や腕に、びちゃっとクモの巣が貼りつく始末。しかも、かって車が走ったらしい轍は完全に道両脇からの草に覆われ、中央部の盛り上がったところを走るのが精一杯。よほど、降りて「押し」にしようかと思ったくらい。このひどい道の区間、写真をとる余裕は全くありませんでした。是非、撮ってアップしたかったのですが・・・。

北北西、手前は我拝師山、左手奥は紫雲出山 2004.08.14

北西方向、奥は七宝山 2004.08.14
 もう止めよう、ここで引き返そうかと何度も思いながら登っているうちに標高も350mを越え、山頂までの道半ばに達しました。ここで追い討ちをかけるように、山側から雑木を根こそぎなぎ倒した崩落が・・・。しかし、もう引き返すに引き返せなくなって(引き返す気にもならない道)、ほんの少し躊躇した後に自転車を担いで10mあまりにわたる崩落部を踏破。その後も道は時折、竹林の中でコンクリート舗装(舗装部分は行く手を阻む雑草がやや少ないものの、勾配が10%以上)も見られましたが、ほとんどが生い茂った夏草で地面も見えない地道でした。アタタッ。強引に進んだところ、横からイバラの蔓が。夏でも長袖、指先手袋が必要!です。

紫雲出山花見ツーリング後に 2007.04.08

紫雲出山から見た大麻山 2006.12.01
 なんとか地図で確認していた180度の折り返し地点を過ぎると、漸く道らしくなってきました。両脇からの雑草に煩わされることもなくなり、しばらく進むと山頂へ到る稜線に出ました。山頂の尾根道は古木の桜並木。春には花見が望めそうです。しかし、意外と展望がありません。これだけ苦労して登ってきて、これはないよなあと思いながらさらに先に進むと、最高部のテレビ塔の北側に、本日のご褒美・讃岐平野を一望できる展望地が(写真:トップ)ありました。讃岐山脈を除く、讃岐平野の中では一番の標高を誇るだけに、抜群の条件ではなかったものの、讃岐平野から備讃瀬戸・瀬戸大橋を一望する、なかなかの眺望でした。
 頂上では、ボランティアらしき数人が清掃作業をしていました。車で登ってきていたので、北側は舗装路だと思っていたら、その通り。ただし、頂上直下に金網のゲートがあり、閉まっていました。道脇から自転車を担いで越えましたが、桜の季節はどうなっているのでしょう?(その後2007年4月に荘内半島を走った後に登りましたが、やはりゲートは閉じていました)
 今では、南からのコースは通行不能かもしれません。もし、南からのコースを登ろう(下ろう)と思う場合は、冬場をお勧めします。北からのコースは、頂上直下のゲートをのぞけば、全線舗装・勾配も比較的緩やかの快適道路です。

朝日山
 2008年9月、亡母の一周忌で帰省した翌日、次第と縁遠くなりつつある西讃の道を久々にサイクリングしました。午前7時出発、高瀬町の朝日山森林公園を目指しました。ここは生家から比較的近くにありながら、全く知らなかったところです。地図で標高238mのほぼ山頂まで道が付いていることを確認、周囲の状況から西讃の眺めがそこそこ期待できるのではないかと期待して脚を運びました。

山頂から大麻山

山頂から北北西、多度津方面と備讃瀬戸
 地図でおよその道を頭に入れて、県道24号線を進みました。うろ覚えだったので直前で少しばかり迷いましたが、登り口には大きな標示がありました。ここから標高差150mを1km程。右手に棚田や段々畑が山裾を飾る大麻山を見ながら(写真:上左)登りきると、森林公園とは程遠い子供だましの動物園?や安っぽい作り物があってちょっと興ざめでした。

山頂から北西、七宝山

西へ、西讃から四国中央市方面、赤石山系
 それでも山頂付近からは東に瀬戸大橋、西には西讃・三豊平野はもちろん、西には愛媛の四国山地や西条方面までが一望できました。山頂には、伊勢朝日山本宮とやらが鎮座。その裏手には、これまたとってつけたような城がありました。資料館とのことですが、3階が展望台になっているようでした。開館は9時からとのことでそれまで待てなかったので素通り。周囲の木々が繁って予想していたほどの展望が得られなかったので、この展望台に登ると(無料・来る途中の道からもよく見えていた)もっといい眺めであったろうと思うと、それだけがちょっと残念でした。
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