殿川内渓谷
 殿川内渓谷は、勝浦川の上流・上勝町役場手前で県道6号線を右折して剣山スーパー林道を少し進んだところから始まります。これまでに何度も走っている道ですが、それほど紅葉の見所だとの認識はありませんでした。知人がその直前に訪れられて、なかなか良かったとの報告をしてくれたので私も行ってみることにしました。本命は国道193号線沿い・沢谷川・大釜の滝付近の紅葉を見ることで、殿川内渓谷は通り道ついでのつもりだったのですが・・・。 (2021年12月26日 記)

紅葉 殿川内渓谷 (2021.11.06)
 走ったコースは、下図。上勝に下ったところで予定の八重地方面に向かおうとしたのですが、前日に落合峠を往復したのが堪えていたのか、脚が全く回らず。この分だと八重地を越えて土須峠へ向かうのは無理と判断して、急遽予定変更で勝浦川沿いを下ることにしました。距離はむしろ長くなるのですが、峠の登りがなくなるので。
コース  神山−柴小屋−殿川内渓谷−上勝−勝浦−佐那河内−神山
走行距離   90q   積算標高 1600m
最高地点   柴小屋付近  標高1200m
走行日   2021年11月 6日  天候:晴れ  GIANT CONTEND
 後々のために余裕を持って、午前7時半過ぎに神山町役場をスタート。もうすっかり馴染みになった柴小屋方面への道を進みます。この道、途中は大部分が植林された杉木立の中を進みます。見晴らしのいいところはほとんどありませんし、単調な道と言えばそうなのですが、多少なりとも手入れがなされている杉林はそこそこの明るさがあります。間伐されて、直径50pを越える幹の杉も多数。なによりもほとんどクルマが通りません。少し勾配のきつい(前半始めと後半最終)ところもありますが、途中で緩やかになって一息つけるところもあります。市内から近いこともあって、最近良く走っています。
 よく訪れる理由のひとつは、標高1200m近い柴小屋付近まで登って来ると、北東方面を主とした展望が楽しめるからです。この日はやや霞んでいましたが、それでも神山の谷筋を眼下に、その向こうに眉山と吉野川下流に広がる徳島市内、そして奥には淡路島が見えています(写真:下左)。ズームアップすると、大鳴門橋も確認できます(肉眼でも確認)。条件がいいと、東には紀伊水道を越えて和歌山県、北には播磨灘を越えて播州地方を確認することができ、鳥瞰好きの私にはたまらない展望なのです。
 この日は見晴らしがもう一つであったこともあり、ゆっくりすることなく先へ進んで剣山スーパー林道に。その3日前に雲早山へ向かった時と、ここまでは同じ道です。剣山スーパー林道の三叉路から、今回は左折して上勝町方面に下っていきます。登りは体が温まりましたが、下りは寒い。最近の定番・ハイキング用のアウターを着込んで下り始めます。1q弱下ったところでコーナーがあって西方向へ進むようになるのですが、この区間は勾配もきつく、また左手(南側)は結構高低差のある崖なので、いつも山肌側をゆっくり下る羽目になっています。再び、コーナーがあって東南方向へ向いて下るようになるのですが、この付近からもう紅葉が始まっていました。
 何度も走っているこの道、紅葉の時期も確か最近走ったはずと記録を確認してみると、2018年11月のことでした。確かに緑の中に紅く染まったモミジ類があった印象は残っていたのですが、もっと下方だった記憶です。その時は逆走しているのですが、紅葉が見られた区間はそれほど長くなかった印象です。こんな上方でも紅葉(大部分は橙色から黄色や茶系ですが)があった記憶はありません。3日前の雲早山へ向かう途中から殿川内渓谷の全貌が見渡せる場所があったのですが、ここまで紅く染まった木が沢山あるようには見えませんでした。写真:下左の橋の付近も、紅葉を楽しめる光景があったとは全く記憶にありませんでした。
 それから下る道中、周辺にはずっと紅葉が続きます。植林されたのかどうかはわかりませんが、モミジ類も多く、色とりどり。剣山スーパー林道周辺も落合峠周辺も、どちらかと言うと紅く染まる木々は少なく、黄系や茶系の葉がほとんどです。ところが、殿川内渓谷は、紅から朱色、橙色、山吹色、黄色と多彩。杉などの緑が混じった山肌は、まさに錦秋という言葉がピッタリな様相でした。カメラの発色がもうひとつで、実際よりくすんだ色になっているのが残念です。その後の予定が頭を過りますが、せっかくなので下りにも関わらず写真撮影停車を繰り返します。
 写真:上や下のような光景が、数q以上に渡って山肌全体に広がっていました。上勝まで、さっと下るつもりが、前日の落合峠同様、停まってばかり。そして、振り向くと、また見事な紅葉。これは、絶対逆走・登りルートで観なければ勿体ないと思われました。しかし、この光景も、先の落合峠高の瀬峡同様、暖かい日が続いた後の冷え込みで生じた標高差に関係なく上方から下方まで一気に染まった今年限りの現象だったのかもしれません。
 すっかり魅了されて、前後左右はもちろん、上方も見上げながらゆっくり下っていると、突然足元からパシューという音。パンクです。ちょうど百闡黷フ駐車場手前でした。予備チューブに交換。ところが、2本持っていると思っていたチューブが1本のみで、それも使い古し(案の定、少し空気漏れがあって、神山までに2回空気入れ直し必要)でした。
 上述のように、予定はその後八重地〜土須で、メインは沢谷川・大釜の滝付近の紅葉と考えていました。しかし、殿川内渓谷の紅葉だけでも十分満足できたこと、体調がもう一つの上に予備チューブがなくなった(パッチは1枚)こともあり、気持ちが切れてしまいました。上勝まで下って八重地方面に向かってみたものの、全く脚に力が入りません。大釜の滝方面の紅葉は来シーズン以降のお楽しみと諦めました。距離は逆に長くなりますが、長い峠道のない楽な勝浦川沿いに下って勝浦から佐那河内周りで神山へ戻りました。沢谷川沿いの紅葉が見られなかったものの、殿川内渓谷の予想外の紅葉は、それを補って余りあるものだったと言ってもいい見事な光景でした。

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