天ヶ津峰(天円山)へ
 天ヶ津峰・天円山(あまがっぷ)は東西に連なる阿讃山脈の最も東側に位置するピークのひとつです。以前から何度も走っている県道228号線の星越峠から山頂方向に道がついていることは知っていたのですが、実際に初めて訪れたのは2020年12月のことでした。近場でありながら適度な砂利道も楽しめる上に、山頂付近からは東側の展望が大きく広がっています。ところが、その日は冬場にもかかわらず靄っていて、折角の展望が台無しでした。空気の澄んだ日に再訪をと思いながら、二度目の登頂までに1年が経ってしまいました。 (2022年 1月 8日 記)

天円山山頂から東南方向の眺め (2021.12.18)
 走ったコースは下図、時計回りです。大麻比古神社がスタート・ゴール。まずは板野方面に向かい、県道1号線で大坂峠へ。引田に下って、国道11号線で櫛木まで。櫛木からは県道228号線、星越峠で天円山方面へと進みます。ここからは未舗装路です。天円山山頂からは同じ道を下って、再び県道228号線で大谷。そこからは交通量の多い県道12号線をできるだけ避けて、大麻比古神社へと戻ります。
コース  大麻比古神社−大坂峠−引田−櫛木−天円山−大麻比古神社
走行距離   55q   積算標高 800m
最高地点   天円山  標高434m
走行日   2021年12月18日  天候:晴れ  GIANT CONTEND
 この日は冬将軍が押し寄せ、西高東低の気圧配置。北日本や日本海側では降雪で大変な一日だったようですが、南国徳島は寒いといっても最高気温8℃。強風さえ避ければ、外走りにも問題ありません。大麻比古神社を午前10時にスタートして西進後、県道1号線で大坂峠へ向かいます。大坂峠は勾配が緩く、交通量も少ない、照葉樹に落葉樹も混じった雑木林の中を走るサイクリングには最高の道です。香川側からだと、つづら折れの道を登るに連れて光景がどんどん変わっていきます。なんといっても、県境近くの展望台からの眺めが素晴らしいです。もう10年以上にわたって、ほぼ毎週末・年に50回近く登っているのですが、何度走っても飽きることがありません。

引田の海岸線

南東方向、奥は淡路島
 この日は予想通り、空気も澄んでいて良い条件でした。写真:上左、展望台・パラグライダーテイクオフ場から北へ。引田の海岸沿いと中央奥は小豆島です。この写真ではわかりませんが、右手の水平線(播磨灘)上には、播州地方から明石付近までが見えています。下の2枚は、その付近を軽くズームアップ。左は小豆島。右はその右手で水平線上に、家島諸島とその背後に播州地方が見えています。
 
 下の4枚は、さらにズームアップ。左端は北へ、安戸池と与治山を越えて、奥には岡山・児島半島が見えています。中2枚は北東、家島諸島と播州・姫路〜高砂方面、工場の煙突まで肉眼でも確認できます。背後に見える山は、砥峰高原方面でしょうか。右は南東方向、北灘の一部と奥には淡路島の風力発電の風車群。条件が良ければ、淡路島の北端付近まで見えるのですが、明石大橋は山影となって見えないようです。写真はありませんが、北北西には屋島や五剣山、五色台の山頂付近も見ることができます。
手前:安戸池、奥:児島半島 家島諸島 播州・姫路〜高砂方面 淡路島の風力発
 そんな光景を楽しんで、引田側に下ります。そこからは国道11号線で櫛木まで。西高東低の気圧配置だと、強い北西風が背中を押してくれます。ただ主要国道なのでトラックなど大型車も多いことが難点です。迂回できる脇道は、極一部にあるのみ。櫛木から県道228号線に入ると、途端に交通量はほとんどなくなります。この道も比較的好みの道です。十数年前は、早朝に自宅から国道11号線を北上して、この道を回って帰るとちょうど40q。朝練コースのひとつでした。途中、ため池がひとつ(写真:下左)。今までに一度だけ凍結している姿を見たことがあります。ため池を過ぎると少し勾配がきつくなって星越峠の切通に到着(写真:下中)。峠の南側すぐのところに天円山への分岐があります。一応鎖が張られているのですが、脇には人と自転車は通ることができるスペースがあります。何度かゲートが開いている姿も見たことがあり、「14t以上は通行禁止・鳴門市」の立て札がある以外は車両通行禁止の標示はありません。分岐からすぐ未舗装路となります。
  
 前半は比較的緩いように思われますが、時に10%くらいの急なところが混ざります。路面状況は写真:下左が平均的な所でしょうか。最初は尾根筋の北側を回っていくので、播磨灘方面の眺めが目に入ってきます。大坂峠とは微妙に角度が異なりますが、やはり播州地方の姿も確認できます(写真:下右上)。東には、鳴門市街とウチノ海、大毛島の稜線上には鳴門大橋の橋脚が頭を出しています。奥には淡路島が、大坂峠とは異なった角度で見えてきます(写真:下右下)。

播磨灘と播州地方

ウチノ海と大毛島、奥は淡路島
 さらに進むと、地形図では放牧場と記載されている付近から尾根筋の東側(南側)を進むようになります。放牧場とありますが、最近は全く使用されていないようで、荒れて周囲の山肌とほとんど区別がつきません。進んで標高が上がるにつれ、見える光景が広がってきます。その度に立ち止まって写真撮影。前回と比較して、大坂峠から見た通り、条件がずっといいです。放牧場を過ぎると、前方にやや急な道が見え、その付近からコンクリート舗装になります。下の3枚は、その急な箇所を登った後、山頂少し手前の高圧電線鉄塔の下付近から。写真:下左、手前縦に流れるのは旧吉野川、その向こうに横走するのが吉野川。右手上に並行するのが眉山。下右下のような西方向の眺めは、ここからだけしか見ることができません。光線の関係で少し靄っていますが、右奥が高越山です。

旧吉野川河口付近

西南方向、右奥は高越山
 電波塔の横をさらに急なコンクリート舗装の道を登ると、山頂直下。自転車はここに置いて、標高差で10mあまり歩いて山頂へ。山頂には3名の先客と、前回は出会わなかった野生化したヤギが4頭。ヤギは人慣れしているようで、こちらに向かってきましたが、何も食べ物を持っていないようなことを悟ってか、すぐに離れていきました。途中からの眺めだけでも十分満足できるものですが、到着した山頂からの眺めはさらに秀逸でした。トップの写真は、東南方向。上左の写真の少し東側です。ほぼ中央付近を横切るのが吉野川。河口側から工事中の高速道路橋、しらさぎ大橋、吉野川大橋が見えています。一番奥の山は明神山付近。この左手には紀伊水道(写真:上右上)。
山頂から淡路島 鳴門大橋 淡路島、阿万・吹上浜 天円山山頂
 3名と4頭が下山に向かった後も、しばらく光景に見惚れていました。一番感動したのは、淡路島を越えて大阪の街が見えたことです。写真:下、一番手前がウチノ海。大毛島に鳴門大橋の向こうは、当然の淡路島。そして県道28号線沿いの平坦部を越えて、大阪湾の向こうに大阪の湾岸沿いの光景が見えています。ひょっとしたらあべのハルカスも見えるのかなと思ったのですが、もう少し北方向のようで山の後ろのようです。これは予想していなかった、ちょっと驚きの光景でした。
 残念ながら、山頂の西側は木々が繁っており、西側の光景は見ることができません。下は、左から小豆島、家島諸島、播州地方、そして右端は鳴門海峡と淡路島、右手は沼島です。和歌山も見える筈ですが、ちょうどその付近のみ雨雲?がかかっていて視界が効きませんでした。
小豆島 家島諸島 播州地方 淡路島と沼島
 その後は来た道を引き返します。確認すると、星越峠の分岐から山頂まで、距離3.4qで標高差はおよそ300mでした。星越峠から県道282号線で大谷へ。そこからは交通量の多い県道12号線を南へ北へと避けて、大麻比古神社に戻りました。ぐるっと回っても半日コース。手頃な上に未舗装路も光景も楽しめるので、また大気の条件がいい時に訪れようと思っています。

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