立石峠 と 阿讃中央広域農道
 国道438号線と県道108号線を二辺・阿讃山脈を底辺とする三角形内に道が錯綜していることは、以前から国土地理院地形図で確認していました。しかし、なぜか阿讃中央広域農道に連絡する道があることは見逃していました。少し前に、とあるブログでその錯綜した付近から徳島・阿讃中央広域農道に抜けられる道があり、立石峠という名前であることを教えていただきました。この日は、当初もう少し西の道を走るつもりだったのですが、当日早朝に確認すると県西部は午後から雷雨の予報。ということで、急遽行き先を少し手前に変更し、初めての立石峠へ向かった次第です。(2020年 9月18日 記)

立石峠 南から北へ (右手の道はすぐ先で閉鎖)
コース 三野−滝ノ奥−立石峠−奈良ノ木−国道438号線−吹佐古−三野
走行距離   50q   積算標高 1300m
最高地点   立石峠   標高830m
走行日   2020年 8月29日  天候:晴れ  GIANT TCR
 国土地理院地形図で確認すると、阿讃中央広域農道から美馬モーターランドへの端道を進んだところが立石峠のようです。美馬モーターランドは、2003年に一度だけ開催されたMTBエンデューロに参加する時に訪れたことがあります。当時は週末の日帰りサイクリングが漸くでき始めた程度でしたので、香川側に道が繋がっていることに全く気付きませんでした。その後何度も走っている阿讃中央広域農道ですが、美馬モーターランド方面は行き止まりだという先入観があって、そちらへ進んでみたことは一度もありませんでした。
 この日は、クルマで三野町の吉野川北岸の河川敷まで移動。午前7時半くらいに走り始めました。初めてデポ地とした吉野川河畔ふれあい広場は、下の写真のように芝生のパークゴルフ場や広いグランドに柳類などの大きな樹が点在していて、美しく整備され広々としています。この少し上流対岸にある・ぶぶるパークみかもにも似た感じです。河川法か何かで河川敷には大きな樹を植えることができないように聞いたことがあるのですが、吉野川河口近くの広い河川敷グランドも、こんな感じならもっと市民の憩いの場になるような気がします。
 東山峠に向かった時同様、主要道である県道12号線を外して、その南側を併走する細い道を進み、東三好橋のところで県道12号線へ。三好市健康とふれあいの森の表示に従って右折、阿讃中央広域農道方面へ向かいます。こちらから登るのは初めてだったかなあと考えながら登っていたら、一度登った記憶がよみがえってきました。後で確認すると2010年5月末、もう10年も前のことでした。記録を辿ると、あまりきつくなく楽に登れたと書いていますが、今回は走り始めなのにきつかったです。10年の衰えが良くわかります。もうひとつ、10年の経過を感じたのが、つづら折れの道が見えた展望です(写真:下中)。もっと道が見えたはずだがと思っていましたが、確かに前回の写真では、つづら折れの道が良く見えています。10年の間に、道脇の木々が成長したためでしょう。
 上 :健康とふれあいの森・展望台
 左上:東三好橋付近を鳥瞰
 右 :東、高越山(雲の中)方面
 左 :デポ地の吉野川河川敷
 脚力が落ちて楽に登れた坂が四苦八苦しなければ登れなくなったことや、木々の成長は時の流れでしょうが、登るにつれて吉野川流域と剣山山系の眺めの展開が広がっていく大好きな光景は時を経ても変わりません。途中にある展望台や、その他、休憩を兼ねて何回も立ち止まって写真撮影。写真:下右上、奥が剣山とジロウギュウ、右端手前は黒笠山だと思います。これも記憶に残っている休校となった東谷保育園・小学校跡を横目に(写真:下右下)。最近、県内を走っていると、やたらと休校・廃校となった学校跡を見ることが多いです。ちょっと立ち止まって案内板を読んでみると、休校になったのが1999年。直前に在籍していた生徒は、今30歳くらいでしょうか。学校跡は山肌途中にあって、その前後というか上下にもあまり民家はないように見えるのですが(廃屋も含めて)、当時はそこそこの児童数があったのでしょう。
 上:剣山とジロウギュウ
 左:角の浦大橋と日ノ丸山方面
 右:東谷保育園小学校跡
 滝ノ奥に到着。ここからは阿讃中央広域農道を東に進みます。確か、すぐに急勾配のところがあったという記憶通り、分岐部の民家を過ぎると10%ほどの坂。ゆっくりと登りながら振り返ってみると、池田方面の向こうに赤石山系かと思われる山々がぼんやりと見えています(写真:下右)。上述のように阿讃中央広域農道を走る時は、ほとんどが東から西へと走っています。前方になる西方面の眺めを見ながら走ることが多かった筈なのに、この光景はあまり記憶に残っていませんでした。もう少し早い時間帯や条件がいい日なら、もっとはっきりと山々を確認できるはずです。さらに進んで、吉野川沿い・半田・貞光方面と剣山・ジロウギュウまで見える、お気に入りのポイント(最後から2枚目の写真)。この日、展望に関してはあまり期待していなかったのですが、上述の西方面といい、意外とすっきりした眺めが楽しめました。写真:下左は、ほぼ真南に向かって。デポ地の広い河川敷が見えます。矢筈山周辺の稜線は雲の中に隠れています。
 阿讃中央広域農道最高地点から東へ少し下ったところで、美馬モーターランドの表示を確認して斜め左方向の道へ進みます。いきなり10%を超える坂でしたが、100mほど登ると多少勾配が緩みました。が、少し走るとまた10%を超える坂。やれやれ、と停まるようなスピードで登ると、モーターバイクの音が聞こえてきました。急坂は短く、コーナーを回るとそこがピークでした。下り始めると木々の間から、美馬モーターランドのコースが見えました。写真をと思ったのですが、木々の枝葉が邪魔をして撮れず。50mほどで美馬モーターランドの入り口に到着。立石峠は、その隣でした(写真:トップと下3枚)。美馬モーターランド、以前にやってきた時は、てっきり阿讃山脈の南斜面だと思っていたのですが、ほぼ香川徳島県境の稜線近くに位置しています。入り口のすぐ横が峠で、香川方面に繋がっていることは、上述のように全く気付いていませんでした。讃岐山脈を越える峠としては、竜王峠(標高980m)に次ぐ標高(860m)かと思います。最高地点は峠から徳島側へ50mほど戻ったところですが、いずれも見晴らしはありません。美馬モーターランドでは、数台のバイクが走っているようでした。覗いてみると、確か表彰式があったと記憶が残る段差のある広場がありました。もう少し何か建物があったような気もするのですが・・・。
 左端:峠にある案内図
 左 :立石峠の表示
 右 :三頭林道表示後方裏手が
    美馬モーターランド入り口
 峠で一服後、さて、どんな道かなと思いながら香川側へ下ってみます。なぜか根拠もなく明るく開けたところを下っていくことを予想していたのですが、結構木々が茂っていて周囲の展望は全くありません。さほど大きくはない雑木林が緑のトンネルをつくっていました(写真:下)。
 しばらく下ると分岐がありました(写真:下左)。表示を見ると、奈良ノ木方面と吹佐古方面の分岐です。右手・奈良ノ木方面へと向かってみることにしました。下って国道438号線からの分岐がわかれば、吹佐古方面から登り返してくるつもりです。下っていくと、驚いたのが、杉・檜が鬱蒼と繁る林の中の道だったことです(写真:下右)。さらに右手には小さいながらも谷川(土器川支流明神川の支流)が流れていて、一部深く切れ込んだところもありました。これは全く予想外、香川にもこんな道(徳島にはよくある)があるんだ。上述のように、もっと見晴らしのある丘のようなところと予想していたのでなおさらです。地形図には数軒の家屋が記されていますが、全て廃屋のようでした。家屋の表示があったので、もう少し開けているだろうと思っていたのです。国道438号線に出る直前に人が住んでいるような田畑のある家が一軒だけありました(谷田という地名)。
上:吹佐古・奈良ノ木分岐部
右:奈良ノ木方面への下り、杉が繁る
 国道438号線へは道の駅から1qほど北側に出ます。国道から見ると、明神川を渡る小さな橋の袂に緑色の「奈良ノ木・立石峠」の表示があります(写真:下左)。 そこからさらに1q少々下って、ここかなと思ったところで左折。すぐに町道長谷吹佐古線の表示があって間違いありません(写真:下左上)。倒れて半分朽ちかけた表示もあり、標柱には標高327.3mと記載されていました。国道438号線を走っていた時に温度表示があり27℃だったことと、峠まで登り返しても標高差500mくらいと判断して、少し気が楽になりました。道はすぐ左にカーブして前上方の黒っぽく見える部分を左へ進んでいきます。写真:下右は、ちょっと登って北への眺めです。長谷地区の向こうに明神地区。有名な谷川米穀店(未訪)のあるところです。奥は、大川山の一部。山肌に見える集落を結ぶ道からも大川山へ登れるようなので、また一度来てみようと思います。
 上:吹佐古方面への入り口
 左:奈良ノ木方面への入り口
 右:長谷・明神方面の眺め
 登り始めた道は、下左の写真のような感じ。途中、吹佐古地区辺りで勾配が少しきつくなり陽当たりがいいので暑く感じましたが、幸い他は木陰が多く、多少なりと暑さを回避できました。道は中央部だけでなく全面苔むしたところもありました。吹佐古地区は、奈良ノ木と異なり居住者が存在しているようでした。この日一番悩ましかったのは、歩くようなスピードで登っている時に顔の前で飛び交う虫です。なぜか目に飛び込んでくることが多く、数回以上(木陰の登りではサングラスも外していました)。
 吹佐古方面を経由する道は、奈良ノ木方面と異なり谷筋ではありませんが、道筋には雑木に杉を交えた木々(一部竹林もあり)が繁っており、やはり展望はありません。少しだけ開けた集落付近で、東への展望が広がったところで撮ったのが下右上の写真。山肌に見える民家は、おそらく竜王峠に登る途中にある横畑集落だと思います。竜王山はこの稜線の後方に当たるようです。登っていくと、林道立石線の表示がありました(写真:下右下)。
 標高700mくらいまで登ってくると、気温が少し下がったのが良くわかりました。下の写真、奥から走ってきて、立石峠には右手に向かいます。手前方向に細いコンクリート舗装の分岐がありました。地形図で確認していた瓜峯集落へとつながる道ではないかと思われました。ここから右手に進むと、道は一度少し下りになりました。すると、道は稜線の東側から西側に出て、少し登り返すと先に奈良ノ木方面へと右折した分岐部に出てきました。
 立石峠からこの分岐部までも結構下ったよなと思っていたのですが、進んでみると、それほどでもなく立石峠に戻ることができました。写真:下左、峠の向こうに夏の雲が力強くいい感じだったのですが、うまく捉えられていません。小さくゴミのように点状にぽつぽつ見えるのは、群がっていたトンボ。アキアカネでしょうか。

再び分岐部へ
 下の写真は、再び広域農道に出て、いつものお気に入りの場所から半田・貞光方面です。吉野川に架かる右下の橋が青石橋で、その右岸が半田の町。山をひとつ左手が貞光の町です。剣山は雲の中に隠れていました。
 広域農道で滝ノ奥まで戻った後は、登り時に確認していた、おそらく未走(一度走ってことがあるかも)の県道108号線・明神方面に下る道に回ってみました。滝ノ奥からは真鈴峠方面にも道がありますが、やや広めの1車線コンクリート舗装です。こちらの道は、幅広い2車線アスファルト舗装。ほとんど通る人はいないのではと思いながらでしたが、意外にも2台のクルマと擦れ違いました。対岸の山肌に見えるのは、田野々という地区でしょうか。向こう側の尾根筋を跨ぐ道もありそうなので、また機会を見て走ってみます。
 明神まで下ってくると、やたら暑くなりました。堪らず、途中の自販機で冷たいジュースを飲みました。かろうじて少し残っていたダブルボトルの暖かくなった水に比べ得て、なんと美味しかったことか。

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