川への想い   

    2016 a la carte  Megeve - Annecy  (2016.07.09)


Col des Aravis 手前にて 後方の雪山は Mont Blanc
 移動を含めて連日早朝から夜遅くまで慌ただしい毎日の中、唯一ゆっくりできるこの日。10時半過ぎの出発で、Megeve(メジェーヴ)の受付会場へ向かいます。Megeve はアヌシー湖の東側に聳える山々の向こう側(東方向)です。バスでの移動は高速道路を走るので、北側から大回りで約100qの行程です。写真:下左下は、ホテルの前景、下中は移動中のバス(この後方の座席が取り外されて自転車を積んでいます)。毎回のことですが、車窓から見る周囲の山や牧場、街の姿などは目移りする光景が続きますが、如何せん軽く100q/hr以上で走っているので、写真を撮ることもままなりません。
 東側から大回りして高速道路を降り一般道へと入った Sallanches(サランシュ)の街手前からもチラッと見えていたのですが、この街から、ひょっとしたら見えるかもと思っていた Mont Blanc(モンブラン)を見ることができました(下の写真)。ほぼ快晴、頂上付近には少し雲がかかっていましたが、ほぼ全容を、この後しばらく車窓から眺め続けることができました。できるいことなら何処かでバスを降りて、ゆっくり眺めていたかったものです。
 路上には、Etape du Tour の受付に向かうと思われる自転車を積んだ車の姿が一気に増えました。街中は市場が開かれている(写真:下右端)とかで渋滞していました。Tour de France 本番のコースにも入っているため、黄・緑・白・赤玉の小旗に加えて、個人宅の窓辺など至る所に Tour de France 歓迎のデコレーションが飾られていました。Sallanches から右折してD1212に入ると、道は一気に登りになりました。これは全く予想外のことでした。スタート地点でもある Megeve は結構標高が高いようです。自走で登っていく自転車乗りも多数見られましたが、大変そうです。振り返ると、Sallanches の街はどんどん眼下に遠ざかっていきます。
 Sallanches の街
 左2枚 Tour de France 歓迎の
       デコレーション
 右  市場の賑わい(車窓から)
 会場までに向かう途中、この日の予定について打ち合わせというか相談がありました。このツアーは、ほとんどその時の状況に応じて臨機応変に予定を立てていくのが毎度のこと。まあ、行き当たりばったりですね。本番のコースが短縮、きつい峠がひとつ減ったということもあって、私は出発前から考えていた自走で Annecy まで帰ることにしました。道は大回りするバスのコースではなく、途中まで翌日のコースと重複する道−Col des Aravis(アラビス峠)を下ったSt.Jean-de-Sixt(サンジャンドジクス)まで−を走って、そこからAnnecy 湖に出る予定です。Etape du Tour 当日は、ほぼ最後尾のスタートのため最初の関門までの時間的余裕が全くないので、いつものように写真を撮りながら走ることはできそうにありません。前日に走ることで、とても興味があったアヌシー湖の東側に聳え立つ山々の向こう側の光景をゆっくり眺めておこうという魂胆です。事前の確認で距離は60qくらい。Col des Aravis を登れきれば後は下りです。若い二人(HさんとSさん)が一緒に走って帰るとのことで心強くなったのですが・・・。

雲が晴れた Mont Blanc
 受付会場には、13時頃に到着。会場は、Megeve の街からさらに数q、結構山道を登ったところでした。スキーリゾートのようです。小さな飛行場の滑走路が参加者用の駐車場となっていました(写真:下左)。自走で帰る3人で受付会場入り口に14時集合の約束をして、急いで受付へ向かいます(写真:下右)。15000番台の受付に向かい参加証を渡すと、受け取ったおじさんが「おおっ、ほとんど最後尾だなあ」と笑いながらゼッケンを手渡してくれました。自走で帰るのでなければ、ゆっくり出店ブースを覗いてまわるところですが、時間がないので足早に会場を巡ります(写真:下中)。Power Bar のブースで冷たいジュースをロングボトル付きで6ユーロ(ボトルは2020年7月現在も活用中です)。SHIMANOのブースでは、レーサーキャップをいただきました。
 予定より遅れて14時も大分回って、3人で受付会場を後にしました。Megeve の街までは、急な坂を下っていきます。翌日スタート地点となる付近では、いろいろなオブジェなどが並んでいました(写真:下右2枚)。D1212で翌日のコースへ向かいます。後で気づいたことですが、本番のコースは Megeve を街を出てしばらくのところでD1212から左折して一度登る回り道をするのでした。が、この日はD1212でまっすぐ Flumet(フルメ)まで下ります。道の右側は結構凸凹が多く、人数が多い当日は注意が必要と思われました。同走したHさん・Sさんは若く元気なので、どんどん加速します。付いていくのも精一杯で、お目当ての写真を撮る余裕は全くありません。下の地図、赤線がこの日走って帰ったコースです。
 D1212を下って、Flumet(写真:下左)の街でD909へと右折すると登り道となりました。最初は比較的緩やか。相変わらず二人は快調なペースで走っていきます。写真:下右上)、左手は結構急で深い谷となっています。進んでいくと前方には屏風のような岩肌の山が見えてきました(写真:下右下)。思わず立ち止まって写真を撮っていると、ますます二人から遅れてしまいます。
 翌日の本番で最初の水補給地点となる街 La Giettaz(ラジェッタ)で二人が休憩するというので、ゆっくりと先へ進みました。Tour de France 本番に備えてでしょう、道沿いの民家の庭先には、いろいろなオブジェが飾られているところも沢山見ることができます(写真:下右)。振り返ると、La Giettaz の街がずっと下方に(写真:下左上)。
 左 La Giettaz の街
 上 D909にて
 右 庭先のオブジェ
 道脇には、毎回見かける Etape du Tour 専用臨時の峠までの距離表示が設けられていました。峠まで残り1q付近で振り返ると、ずっと見えなくなっていた Mont Blanc の姿が手前の山の向こうに現れてきました(写真:下右)。頂上付近にも雲一つなく、神々しい姿です。見惚れながら一服していると、ちょうどHさんが登ってきました。トップの写真は、Hさんに撮っていただいたものです。
 Col des Aravis には、16時頃到着しました。翌日も通過するはずですが、きっと混雑していると思われることと余裕がないだろうと予想されることから記念撮影(写真:下)です。峠にはオートバイとクルマが多く、自転車乗りはそれほど多くなかったです。
 峠の左右両側の山々は、氷河による浸食なのでしょう、急峻な岩壁を連ねています。Col du GalibierCol D’Aubisque には劣りますが、やはり日本では絶対に見られない光景です(写真:下)。おそらくこの後は見られないと、Mont Blanc も見納め。この時点で、Annecy までは後30q程でほとんど下りと予想していたので、17時半くらいにはゆっくりホテルに到着できると思っていました。
    
 峠から下り始めると、また素晴らしい展開が待っていました。大きなカーブを描きながら、緩やかな草原状の山肌を下る道(写真:下)。翌日は、ここをゆっくりと眺める余裕はないだろうと、心ゆくまで眺めていました。。
 振り返ると切り立った峰々。草原の道は、さっと下るには勿体ないくらいです。しかし、ここも明日は、多くの自転車にも注意しながら余裕なく走ることになるのでしょう。時折クルマは通るものの、交通量はそれほど多くないので、あちこち眺めながらゆっくりと下りました。
 下りきって、St-Jean-de-Sixt(サン・ジャン・ド・シクス、写真:下左2枚)で翌日のコースを離れ、D909を Annecy 方面へ向かいます。ここからも下りです。少しばかり交通量が増えた道を、相変わらず二人は飛ばす飛ばす。ここでも写真を撮る余裕は全くありません。Annecy 湖までの中間地点くらいになる Thones(トーヌ)で道が二股に分かれていました。GPSで確認しようとしましたが、うまく作動してくれません。右手には Annecy の表示、左手は Thones 市街の表示です。左のような気がしましたが、右手は多分市街をバイパスするのだろうと右手に進みました。
    
 ところが、右手を進んだところ、道は高速道路かと思うようなところだったり、それに付随した自転車道だったりで予想した道とは雰囲気が異なります。ある程度走ると見えてくるはずの Annecy 湖の姿も一向に現れる気配がありません。かなり進んだところで、予定のD909ではなく、いつの間にかD16に入ってしまっていたことに気づきました。Annecy 東側にある山の裏を北側へ大回りです。結局、湖の姿は見ないまま、D5で駅の北側を回ってホテルに到着したのは、80qほど走って18時20分頃でした。
 手早くシャワーを浴びて、19時からの今回のツアー唯一の夕食会になんとか間に合いました。本番前日でしたが、ワインが普通に飲めたので体調はまずまずかと思われました(DNFとなった前回は前日のワインが全く受け付けなかったので)。
 しかし、予定より体力を消耗して、翌日の不安材料が増えてしまいました。実は、それまでに6回(2011年と2012年は1週間で2回開催)の Etape du Tour に参加しているのですが、2011年・Act22014年(いずれも雨の峠で気温5℃)がDNS。そのどちらもが、前日受付会場から自走で帰った時だったのです。二度あることは三度ある?それとも三度目の正直なるか。   2016 Etape du tour へ

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