林道木屋平木沢線 2021
 林道木屋平木沢線は、旧木屋平村・川原と旧木沢村・川成を、東西に走る剣山スーパー林道・川成峠でクロスするように南北に繋ぐ道です。全線開通したのは2013年のことらしいですが、しばらく情報がなく、初めて(前回)走ったのは2015年6月のことでした。それから6年余。漸く再訪となりました。 (2021年12月30日 記)

林道木屋平木沢線・標高1200m付近にて (2021.11.20)
 前回は川成峠から剣山スーパー林道で雲早トンネル方面に向かったのですが、今回は下図のように一度木沢・川成まで下って坂州木頭川沿いを走り、国道193号線で雲早トンネルに登り返すコースとしました。いつものように、神山まではクルマで移動です。徳島市内出発時の気温は9℃でしたが、神山到着時には6℃と低下。午前7時半過ぎにスタートしたのですが、快晴にも関わら山影で陽も当たらず。寒いので下り用と準備していたハイキング用のアウターを着込んで、耳当てとつま先カバーも装着してのスタートとなりました。この日の予想最高気温は19℃だったのですが、走行後これは市内での気温だと再認識した次第です。
コース  神山−川井峠−林道木屋平木沢線−木沢−国道193号線−神山
走行距離   85q   積算標高 2300m
最高地点   川成峠  標高1320m
走行日   2021年11月20日  天候:晴れ  GIANT CONTEND
 国道438号線で川井峠を目指しますが、直前に知人が黄葉が見頃と教えてくれた黒松八幡神社のイチョウに立ち寄ります。この道、50回以上は通っているはずですが、このイチョウの存在は全く知りませんでした。そのすぐ上手にある上分小学校跡に数本の大きなメタセコイアがあることは、ずっと以前から気付いていたのですが。川又にそんな大きなイチョウがあったかなあと地図で確認していた付近をゆっくり走っていくと・・・。ありました、国道沿いから民家の屋根上に、少し落葉し始めていましたが、いい染まり具合の姿。その後の長丁場が頭を過ぎりますが、折角なので根元まで行ってみました。あちこちから眺めて見ますが、結局国道から見上げたのが一番全体像を把握するのに良かったように思われました。そこからは走り慣れた道を川井峠トンネルまで。登りなので体はすぐに温まるだろうと思っていたのですが、ずっと山影のこともあって、結局アウターを脱いだのは右岸に渡る橋のところでした。鮎喰川も陽が当たらないので、覗き込んでは見送りが続きました。
 川井峠には9時に到着。やや靄っていますが、思ったより見晴らしが効きました。下右の写真、ほぼ真西へ向いて。左上がジロウギュウと剣山、鞍部の右手が丸笹山です。見ノ越トンネルはこの鞍部直下です。これから向かう林道木屋平木沢線は一度穴吹川まで下って手前の左手に切れている山肌を登りかえします。
 左  上分中学校跡
 左上 黒松八幡神社の大イチョウ
 上  川井峠トンネル
 右  川井峠から剣山方面
     左上:ジロウギュウ・剣山
     中央:丸笹山
 少し北へ振ると、正善山がどっしりとした姿を見せています。下っていく途中で、対岸の山肌に点在する民家を撮影。下りは、また山影で寒く、再びアウターを着込みます。後は一気に下って、林道木屋平木沢線分岐部には9時半前に到着しました(標高340m弱)。ここから剣山スーパー林道の川成峠まで14q、ほぼ1000mの登りです。
左  川井峠から正善山
上  少し下って対岸の民家
右上 もう少し下って南張方面
右  国道439号線・林道分岐部
    川原谷橋を右折
 最初は穴吹川支流・川原谷に沿って数%程度の比較的緩やかな坂を南進していきます(写真:下左)。途中、木材切り出し作業中の方が、「頑張ってるな」と声をかけてくれました。当然ですが、その後誰一人出会わず。その付近で下って来たクルマ1台と擦れ違った後は川成に下るまで一人旅でした。杉木立が続く谷沿いを進んで180°折り返すと、道脇には落葉雑木の姿が増えてきましたが、もうほとんどの樹が落葉していました(写真:下右)。6年前に一度走っただけですが、この付近までは意外と記憶が正確で、まだ多少の余裕がありました。
 ひとつ目の尾根筋を回り込んで、再び南進するようになると、内宇夫谷の対岸にこれから進んでいく道が見えます。写真:下左のほぼ中央・鉄塔付近ですが、さらにその上の稜線近くの鞍部にガードレールが見えます。奥に見える尾根筋を回り込んでそこへ出てくるのです。これも記憶に残っていた光景ですが、地形図で確認すると写真撮影の地点が標高約750m、鞍部は標高1200m程です。標高差は500mにも満たないのですが、肉眼では広角の写真より高度差感が遥かにあります。あそこまで登るのか、とちょっとばかり心が折れそうな光景ですが、ゆっくり進むといつの間にか到達するものです。進むと、鉄塔手前では平坦にも思える勾配の緩い区間があったことは、全く記憶に残っていませんでした。
左  標高750m付近から先の道
上  ほぼ落葉状態の木々
右上 木屋平方面を振り返る
右  内宇夫谷上流部
 予想していたことですが、木々はほぼ落葉していました。内宇夫谷側(写真:下左)からふたつ目の尾根筋を大きく回り込むと、写真:上左の稜線の部分に出てきます。下右の写真は、尾根筋を回り込んで川成峠・南東方向に進むようになった付近です。スタート地点から35qくらいでした。後半はきつかったという前回の記憶通り、ここから2qほどは13〜15%の勾配が続きます。事前に前回の記録を確認していなかったのですが、ちゃんと14%くらいと記載していました。標高は1100mを越えました。落葉した雑木の枝は、いい感じで、もう少し早ければ赤はなくても橙や黄色の葉が楽しめたのかもしれません。
 左手後方には木屋平方面への展望が広がっているのですが余裕がありません。この付近、急勾配の上に左手は苦手な切り立った崖なのです。写真:下右、登ってき道は遥か下方に見えています。ふたつ上左の写真を撮った辺りです。中央の三角山は東宮山、左端に高越山が切れています。霞んでいて、見えるはずの讃岐山脈は確認できませんでした。トップの写真は、下左の写真の地点から少し進んだところ。相変わらず15%くらいの登りが続きます。川成峠まで残りの距離を考えると、このままだと峠の標高を越えてしまうけど間違っているのかなと思っていたら、ありました。トップの写真の左手先で一度少し下る箇所があるのですが、手前から見ると山肌を下る部分が崩れかかっているように見えるのです。前回も確かあそこ大丈夫かなと思ったものですが、問題ないと分かっていても斜面恐怖症の私には脚が竦む光景です。残念ながら写真なし。前回の記録にはその場所の写真をアップしているのですが、普通の人にはなんでもない光景かもしれません。
 実際に走ってみると、道幅もそこそこあって路面もきれいなのですが、恐る恐る下ってさっさと登り返します。そこを過ぎると、やっと勾配が少し緩んできます。路面もきれいなアスファルト舗装です(写真:下右)。この林道木屋平木沢線、勾配のきつい区間はコンクリート舗装ですが、それ以外はほとんどアスファルト舗装で路面の痛みもほとんどありません。左手前方の山肌を横切るのは剣山スーパー林道です。写真:下左は、北北東に向いて。右奥は高越山、左奥は正善山だと思います。登ってきた途中に道が鉄塔付近に見えます。その鉄塔に重なるのが、林道木屋平木沢線登り始め付近の集落です。
 剣山スーパー林道・川成峠には、ほぼ予定通りの11時半に到着。補給も兼ねて休憩。周囲の木々は完全に落葉状態ですが、そこまでと同様裸木の幹や枝が青空に映えています。とりあえず登り切ったので、落ち着いて眺めることができました。
   一服後、剣山スーパー林道を西へ1qほど、川成方面への分岐部まで進みます。登ってきた合流地点の路面状況は上々でしたが、そこから少し進むと以前に走った時の記憶通り多少荒れています。写真:下左、道の左側付近が比較的いい状態のところ、右手が荒れているところ。全体としては、こんな状況が半々くらいだったように感じでした。
 見上げると稜線まで落葉樹が続いています(写真:上右・下)。こんな光景を見ると、新緑時やもう少し早い時期に再訪したいものだと思うのですが、林道木屋平木沢線で登って来ることは脚力的にも無理かと思います。あるとすれば、次は e-bike でしょうか。
 さて、短い区間でしたが、剣山スーパー林道に別れを告げて川成方面に下ります。こちらはアスファルト舗装。南斜面で昼近い時間帯なので暖かいだろうとの予測は外れ。木陰が多く寒いくらいで、またアウターを着込んで耳当てもして下ります。下りはスピードが出て、その分走ることにより集中することもあって、周囲の光景に目をやる頻度が落ちてしまいます。立ち止まって写真を撮る回数が登り時よりぐんと減ってしまうのは毎度のことです。この時も、長い下りで撮影停車は左下の写真を撮った1回のみ。最も、あまり気持ちを捕らわれる被写体がなかったこともありますが。下左の写真は、東方面の山肌。雨雲レーダーが確認できなかったので、高城山は手前の山に隠れているのかもしれません。大きな山容を見る度に圧倒されるのですが、そんな雄大な光景を見るにつけ、やはり山はいいなあと思います。下り切って、川成の集落。総数20戸くらいでしょうか。見る限り、ほとんど廃屋はないように思えました。洗濯ものを干していたり生活感に溢れており、初めて訪れた30年近く前と同様まだまだ集落としての姿を保っていることに、少しばかり感動しました。写真がないのですが、こんな集落の光景こそ時の変化が大きいので写真を撮っておくべきですね。
 ところで、今回の目的のひとつに坂州木頭川の流れを楽しむことがありました。ところが、正午過ぎにも関わらず、この時期の太陽の高度は低く、かろうじて道路には陽が差しているものの、狭く深い谷の川面に達するところは極限られていました。下の3枚は、数少ない陽が当たっている川面が見えたところです。そういえば、以前この道を遡った時も期待していたほど川の流れを楽しめるポイントがなかったことを思い出しました。上流には岩倉の集落があるのみで住人は少なく、山は深く雨量も多いと良い条件が揃っていると思うのですが・・・。
  
 それに反して、予想外に楽しめたのが、いくらか残っていた紅葉です。特にモミジ類は、ちょうといい染まり具合でした。川成峠の北側は、もうすっかり落葉の呈だったので、いくら尾根の南側とはいえ、これほど紅葉を楽しむことができるとは思ってもいませんでした。川沿いを緩やかに下っていく県道295号線ですが、そのため川面を覗き込んだり、紅葉の写真を撮ったりしながらだったので、国道193号線の合流地点まで結構時間がかかってしまいました。
 写真:下左上は小畠方面から下沢谷〜上沢谷集落を経由して、国道193号線に合流する道を下から見上げたところ。余裕があればこちらへ寄り道してみようと思っていたのですが、ここまで脚力不足で以前より3〜4割増しで計算している予定時間とほぼピッタリだったので余裕なし。さらに国道193号線に入って大轟の滝への登り道に入ったところ(写真:下右、右上のガードレールは八重地からの県道6号線)で全く走れなくなってしまいました。ハンガーノックではなく、体調不良。ここから雲早隧道まで10qで標高差約600mの登り。途中、少し勾配のあるところもあります。時刻は12地半過ぎ、最悪自転車と一緒にヒッチハイクすることも考慮して、ゆっくりと登り始めます。

頭上に小畠方面の道

大轟の滝近くの紅葉
 大轟の滝は周辺のモミジがいい具合に紅葉していましたが、陽が差していなかったことや数名の観光客がいたことなどもあり素通り。その後は、比較的勾配の緩い処も34Tを多用して、ゆるゆると這うように登ります。体調が悪かったためか、午後の一番気温が高い時間帯だったためか、この日初めてアウターも脱いで、指切りグローブに変更。勾配が10%を越えるようなところでは歩くより遅いスピードになってしまいますが、押して歩くよりは楽です。いつもなら遅くても鼻歌でも歌いながら走るのに、冗談の一つも出ません。それでも、ほぼ道の状況が分かっていたので、休みながら少しずつ前へ。

大釜の滝

大釜の滝・手前のトンネル↑・→
 この道沿いで一番好きな大釜の滝付近(写真:上、下左)はもう紅葉もほぼ終了の状態でした、山肌や落葉樹、そして道の雰囲気がやはりいいです。ただ、いつものように気持ちが昂るような元気はなく、とにかく峠・トンネルまでと、写真撮影休憩ではなくて言葉通りの休憩を取りながら、亀さん走行を続けます。
 記憶に残るポイントを一つずつクリアして、剣山スーパー林道の合流部に到達。もう少しだと思ったのですが、そこからも少し距離があって、やっとやっとで14時過ぎに雲早隧道に到着。なんとか助かりました。トンネルを抜けると、先の雲早山ハイキング後のような北面斜面の紅葉はなく、事故を起こさないようにと慎重に下ります。ほぼ下り切った中津地区で、これも知人から教えていただいた満月銀杏をチラリと横目で見学。この銀杏の存在は以前から知っていたが、黄葉時に見たのは初めてだと思います。休日のためか、幹周辺には数組以上の家族連れなどがいたので少し離れて写真を撮ろうとしたのですが、何処からも電線が邪魔になってしまいます(写真:上右下)。先の黒松八幡神社の銀杏よりさらに一回り小さいですが、丸く球状にギッシリ詰まった黄葉の量感が、斜面に位置することもあって、見映えはいいです。これで電線がなければ・・・。そこから役場までは10q足らず。ほとんど下りなので、無事デポ地に辿り着くことができました。

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