阿波池田・馬路から旧境目峠、国道192号線南側山肌の道
 私的サイクリングの原点・堀切峠から東へ伸びる道があることに気付いて、初めて走ったのは2004年3月のことでした。つい先日まで、その時はMTBで走ったとばかり思っていたのですが、記録を確認してみると LOOK KG-96 でした。前後に法皇スカイラインと雲辺寺まで登っているという、今ではとても考えられないコースです。2009年6月に10名以上で同じ道を走ったのですが、ロードバイクで荒れた道を走ることになって、企画者としては大変申し訳なく思ったことが、つい先日のように思われます。その後、いつも魅力的な道情報を教えて下さるくにさださんが、旧境目峠からさらに東に道が繋がっているとの情報を発信されていました。地形図を見ると、確かに曲がりくねった実線(軽車道)が山間部の集落を繋いでいます。いつか機会があったら走ってみようと思いながら、もう10年近く。今回、やっと実現しました。 (2022年 1月18日 記)

下地形図・左から2〜3番目の付近にて (2022.01.08)
 走ったコースは下地形図ので辿る実線(軽車道)です。左下に切れる実線が呉石高原方面から下って来る道です。以前に林道佐連峰畑線林道杖立神社線を走った時と一部短い区間で重複しています。
 午前7時前に自宅を出発。市内の気温は1℃でしたが、吉野川土手沿いでは既に0℃。西へ進むにつれて、−1℃と下がっていきます。脚力が衰えて同じ距離を走るのに要する時間が以前の1.5倍くらいになっているこの頃。できるだけ早いスタートを心掛けているのですが、この日ばかりは気温が上がることを願って、スタートを急ぎませんでした。しかし、午前9時の阿波池田の気温は−2℃でした。昨年までは長袖薄手インナーの上に半袖ジャージ、そして冬用ジャージで寒い時期も問題なかったのですが、今年はその上にハイキング用のアウターを着込むのが定番となってきました。もちろん、手袋は2重、シューズカバーに襟巻と耳当て装備です。

へそっこ大橋

左折、朝日大橋
コース  池田−馬路−上図の道−境目峠−川之江・下川−境目峠−池田
走行距離    70q  積算標高 1500m
     (上図の範囲 距離25q、積算標高1200m)
最高地点    境目峠に下り始める地点  標高630m
走行日    2022年 1月 8日  天候:晴れ  GIANT CONTEND
 スタートは、池田ダム湖畔の運動公園。ちょうど真上を徳島道のへそっこ大橋が跨いでいます。快晴、左岸山肌の木々は一面落葉しています。新緑時は淡い緑が輝くことでしょう。
 国道192号線を2q余り西進したところで、地形図で確認していた橋を渡ります。右折すると雲辺寺の道表示板があるところです。吉野川支流馬路川を渡る橋は、たかだか20m足らずの長さですが、名称は朝日大橋。朝日が当たって気持ちよかったのは名の通りでした。橋を渡って数軒の民家の中を進むと、道はすぐに10%を越える坂となりました。が、路面は予想に反して、適度に交通量があることを思わせる良好な状況でした。少し勾配が急ですが、山肌に沿って緩やかに蛇行したり、大きなコーナーがあったりと、初めての道を楽しみながら登っていきます。
 地形図でわかるように、最初はコーナーが続くジグザグの道ですが、3つか4つ目のコーナーに分岐がありました(写真:下左下)。分岐又部に水之久保と標示された左手が路面もきれいで目的の道と思われました。直進する右手の道は薄暗く路面には杉などの枯葉が多数散乱していて方向からも左だと思ったのですが、再度確認すると右手の標示上のほうに、小さく消えかけた文字が大泉と読めます。進むのは右手が正解でした。直進すると杉林が多いのですが、路面には広葉樹の葉も多数散乱しています。国道192号線との分岐部は標高160mほど。そこからジグザク道で南方向へ標高530mくらいまで登ります。10%を越える坂が続きますが、ずっと日影のため体はともかく手先足先は一向に温まりません。
 左  左がメインに見える
 左上 大泉が消えかかっている標示
 上  直進・大泉への道
 右  落ち葉のコーナーが続く
 下の写真は、登り切るまでのまだ半分も登っていない付近から北東方面です。手前が水之久保集落のようです。奥にスタート地点・へそっこ大橋が見えています。その左上の山肌に見える集落が西山地区、右手奥は大川山方面かと思います。しかし、この後このように展望が広がるポイントは、あまりありません。
 相変わらず勾配はきついのですが、個人的好みの道が続きます。雑木林のところはあまりなく、圧倒的に杉林が多いです。立派な孟宗竹と思われる竹林も、写真:下右のここだけでした。
 標高500mを越えた付近で分岐がありました。まっすぐ進む道と折れ返すような道。どちらへ進んでも、そこまで以上に路面状況が悪そうです。地形図では民家かと思われる建物の標示がいくつかありますが、まっすぐの道を進んでいくと確かに荒れ果てた小さな民家らしき建物がありました。しかし、道はどんどん悪くなって、最近クルマが通った形跡は全くありません。どうも違うようだと引き返し、折れ返す道を進みました。まっすぐの道は地形図で確認していた前年に走った山城町大和川に繋がっている道のようです。一度走ってみようと思っていた道ですが、廃道になりつつあるように見受けられました。写真:下左端は、その道を戻ってきて。右下から登ってきて、左手奥に進みます。
 そこからは標高550m前後をトラバースするように西進していきます。道は多少のアップダウンがあって、山肌に沿った緩いカーブを繰り返します。路面には枯葉や小枝が多いのですが、覚悟していたよりずっといい状態でした。時折、廃屋が見られ、この先廃道になっているのじゃないかとの懸念以外に、クルマで移動中、剣山方面は標高1000m以下くらいでも雪が残っている様子だったので、凍結が嫌だなあと心配していのですが、雪はほとんど残っていませんでした。進んでいくと、前方から何やら工事中のような音が聞こえてきました。進んでいくと、クローラ仕様の木材運搬用と思われる荷台が大部分の車両が歩くようなスピードで進んでいました。かなりゆっくりだったので、すぐに追いつきましたが、音が大きく運転手は私には気が付かないようです。そのままゆっくり付いていくと、気付かれたのか停車。振り返って「通れるかな」。ほぼ道幅一杯で山側は通る隙間がなく、かろうじて通れる道脇を進んで追い越しました。通行止めとか行き止まりだよとの声はかからなかったので、通じていると確信して予定通り進んでいきます。道は北側斜面をトラバースしていくのですが、木々で北方向の展望が望めるところはあまりありません。右端は、そんな道で北側が少しだけ見えたところ。西山と雲辺寺の間付近です。
西方面への分岐部 凍結・雪はほとんどなく 木材運搬用クローラ 北・阿讃山脈
 下の写真は、そんな道を西進して、久々に北東方向の展望が広がったところ。はっきりした記憶が残っていませんが、上の地形図で右から3番目の付近からだと思います。左手前の山肌に見えるのは、井ノ久保集落付近かと思います。奥のほぼ中央部は西山地区です。一番右奥のどれかが大川山でしょう。ちなみに、水之久保から下の双子布まで、地形図では建物の記載がありますが、人が住んでいるようなところは一切ありませんでした。
 一度下り道になって進んでいくと、まだ記憶に新しい林道杖立神社線で尾根を越えて下ってきた分岐部に出ました。写真:下左、手前から走ってきました。前回は左奥から下ってきて、右下へと下りました。今回は、左奥へと登り返しです。尾根筋の峠から分岐まで結構下ったような記憶だったので、そこそこ登る覚悟をしていたのですが、意外にも峠手前の皆伐部が、どれほども登らない内に現れてきました。写真:下中、後方は雲辺寺です。切り株付近に徳島道が見えています。林業関係の人でしょうか、軽四が少し先に停車中でしたが、そのまま西へ向かっていきました。ここから先も問題なさそうです。
  
 西進を続けると、相変わらず杉林が続くのですが、写真:下左のようにあまり手入れされていない木立もあれば、間伐や下枝打ちが十分為されているところもあり。この違いは持ち主の差なのでしょうか。ちょっと分かりづらいですが、左手はすぐそこが稜線です。一度路面が未舗装になりましたが(写真:下右)、300mも進まないうちに復帰。
 さらに進むと、地形図の双子布という集落。4、5軒の家屋があり、畑が作られていたり洗濯物が干してあったりと、いずれも人が住んでいるようでした(写真:下右)。今回走った上の地形図の横走する道沿いでは、唯一人の生活臭があったところです。そのためか、そこからは5q程は、きれいなアスファルト舗装でした。途中、南側に同じように綺麗なアスファルト舗装が伸びる分岐がありました。写真:下左下、左奥から走ってきて手前へ進みます。右奥へ登る道は、地形図に載っている林道杖立線と林道佐連峰畑線と間で銅山川方面へ連絡する軽車道かもしれませんが、何の表示もありませんでした。
 双子布の集落を過ぎて、今度は手入れが行き届いた杉林の中を下っていくと、左手上と右手下に進む三叉路がありました(写真:下右上)。右手下かなと思ったのですが、分岐には走ってきた方が有安、左上は大宗峰畑の標示。左上が正解でした。右手に進むと国道192号線に下ってしまうところでした。

また、分岐

左・有安、右・宗畑峰畑の標示
 その分岐から1qほど走ったところに、左上から下ってきて右手下に下る分岐がありました。ここが林道佐連峰畑線との合流部です。写真:下左、左上へ進むと林道佐連峰畑線。写真:下中、奥から走ってきました。1年と少し前に下った道を進んでいくと、これも記憶に残っていた廃屋がある分岐に到着(写真:下右)。前回はここから西へ進むことは止めて右手の道を下って国道192号線に出たのですが、今回は左手の道へ進みます。
  
 分岐部からも路面状況がそれまでと異なっていることが窺われたのですが、進んでみると確かに状況一変。路面は凸凹で、未舗装のように見えます。というのは道全体が枯葉に覆われて本来の路面が見えないのです。おまけにまた軽く10%を越える登りが続きます。それでも、ここまで走ってきた道が思いの外整っていたため、まだ時間も体力も余裕があったので引き返すことは考えずに先へ進みます。道はどんどん荒れてきて、道の両側からは枯れたススキのような植物が道へせり出してきています。道の中央部には、数十pに成長した松の幼木があちこちに見られます。ただ、少し手前から抜かるんだ所で最近走ったと思われるクルマの轍が見られたので、先へは進めるはずと躊躇わずに進みます。

道中央には松の幼木

落ち葉と枯れ枝で覆われ
 この日も上の地形図を少し拡大してプリントアウトし携帯しました。スマホでも地形図を見ることができますが、範囲が狭いのでちょっと分かりにくいのです。やはりアナログ親父です。急な折り返しのコーナーでは地形図でここだなと確認します。途中、1ヵ所明るい落葉樹が続くところがありました(写真:下左)。右手前方には四国中央市の製紙工場の煙突が見えました。こんなところは極僅かで、写真を撮る余裕もない道が続きます。それにしても先の分岐から思ったより距離も長く、登りが続きました。手前の分岐は標高400mほど。そこから最後に境目峠に向かって下り始める手前の標高は630m。標高差は230mとそれほどないのですが、未舗装で勾配もきつく結構堪えました。漸くコンクリート舗装となって少し状況が良くなった下り道を進むと、呉石高原方面からの道の分岐に当たりました。写真:下右、呉石方面からの道は左奥への登りですが、枯れた松葉が路面全体を覆っています。以前も同じような状況だったはずです。まあ、よく23Cのロードバイクで下ったものです。
 そこから結構下ります。途中、今度は切山付近を見ることができました(写真:下左)。一番後方の稜線下・中央部にある集落が切山付近です。ちょっと靄っていたのですが、すっきりしていたら燧灘も見えることでしょう。相変わらず、杉や松の枯葉の多い道を下って、旧境目峠に到着したのは正午も回っていました。ここまで走行距離は25q弱。道を確認したりした時間もあるのですが、平均時速は10q/hrそこそこ。
 峠で一服した後、この日もうひとつ予定していたルートへ向けて国道192号線を川之江方面へ向かいます。大型トラックも多いこの道は避けたいのですが、迂回路がありません。川之江の街まで出る手前で、川之江東JCTの下を通り抜けて下川川沿いを遡ります。この道は切山方面から下ってきたことがあります。今回は切山方面には向かわず、途中から山越えで香川県に出る初めての道を進もうと予定していました。地形図とGPSで確かめた筈の道を進んだのですが(写真:下中2枚)、田畑の中で行き止まりとなってしまいました。
 痛恨のミス、1本手前で曲がってしまったようです。距離はさほどない筈だったので再度予定の道へ進むことも考えたのですが、当日少し予定があったため確実に時間内に戻ることができるようにと来た道を引き返し、境目トンネルは嫌なので再び旧境目峠まで登り返して池田ダム湖畔へと戻りました。未遂となったルートは、後日。

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