雲辺寺 と 阿波池田・西山付近の道
 少し前に塩塚峰腕山周辺を走った時から考えていた、池田西山地区と雲辺寺を訪れてきました。いずれもこれまでに何回か走ったことがあるのですが、記録に残る雲辺寺訪問は2014年9月ですので6年振り? 西山付近はツール・ド・西阿波で訪れていたことや六地蔵方面からの帰路に立ち寄ったりした記憶があって、もう少し頻繁に訪れていたように思っていたのですが、意外と久しぶりだったようです。いずれも交通量の少ない道と、登ったところからの展望が秀逸であることは記憶通りだったのですが、いくつか記憶のいい加減さと脚力の衰えを再確認した1日となりました。 (2020年11月30日 記)

西山付近から池田の町を見下ろす (2020.11.15)
コース  池田−西山−雲辺寺−曼陀トンネル−佐野−池田
走行距離   50q   積算標高 1400m
最高地点   雲辺寺山頂  標高927m
走行日   2020年11月15日  天候:晴れ  シクロクロス
 早めの出発を考えていたのですが、朝食を済ませて自宅を出たら、池田スタートは午前8時半過ぎになってしまいました。スタート時の気温は5℃と低かったのですが、すぐに登りとなったので寒さを感じる間はほとんどありませんでした。なぜかこれまで一度も通っていなかった池田ダム堰堤を走って、吉野川左岸・西山への登り口へ向かいます。
池田総合体育館から西山方面 池田ダム 池田ダム堰堤 池田ダムから下流方面
 左岸から西山への登りは、下の地形図・→の道を進みました。西阿波のコースは、確か右下から入って、左手へ切れている道をぐるりと回って左上のところで出てすぐに上への道へ進んだと思います。川沿いから、いきなり10%以上の坂が始まります。西阿波のコースに合流して左折後、すぐにまた右折して、集落の間をジグザグに進んでいきます。40分ほどかかって、漸く少し平坦で民家の多い地区に到着。標高400m前後です。地形図を見るとわかると思いますが、ジグザクに進んだ道沿い・集落がある付近は他の部位より等高線が広がっています。
 トップの写真もそうですが、この付近の雰囲気が大好きです。畑と雑木と民家、そして吉野川を眼下に見下ろし、対岸の山々も俯瞰できる、好みが揃った個人的お勧めスポットです。民家の中には廃屋も多少見かけますが、まだまだ活力のある家が多いように見えます。上下の写真でもわかりますが、南側に向いていて陽当たりが良く、少し早い時期なら畑にはソバの花が満開だったようです。対岸にある池田の町も見えますが、手前の平坦部分の奥は吉野川に向かって急峻な斜面になっています。
 登っていくと、もう少しで西山小学校跡という民家の前に、「この先車両通行止め」の標示がありました。自転車ならなんとかなるだろうと進んだところ、クルマでは無理だけど自転車では問題ない細く急な道を通って(地形図、文と神社間の点線区間)、西山小学校跡へ到着しました。下の写真は、西山小学校跡から南西方向。徳島道の池田へそっこ大橋が見えます。一番奥・ほぼ中央付近には、塩塚峰がちょこっと頭を出しています。左奥は、野鹿池山付近です。
 地形図を見ると、西山から直接北へ上る道があるようです(西阿波で登るコースの東側)が、さらに東へ進んで阿讃西部広域農道の分岐部(写真:下左上)から再び西進します。この分岐部から東へ向いての展望が良好なことは以前から知っていましたが、箸蔵寺の一部が見られることは今回初めて確認しました。下右の写真は、2014年時に走った時。今回もほぼ同じような写真を撮っているのですが、この時の方が見晴らしがすっきりしているので。東へ流れていく吉野川が一望できます。中央・奥は高越山です。吉野川河口は写真の左端に切れています。肉眼だと紀伊水道も見えました。河口まで直線距離で70q余り。眉山は、左端・高越山の裾野に隠れています。

阿讃西部広域農道の分岐部

上の写真から箸蔵寺
 広域農道との分岐部から西進して、峯の久保展望台へ向かいます。下の写真は峯の久保展望台から南西に向いて。ここからの眺めも好みです。左手奥に塩塚峰が見えています。この季節、条件が揃えば雲海が見られます。この日も朝の気温はかなり低下していたのですが、雲海の姿は何処にもなし。ひとつ下・右の写真は、南に向いて。池田の町と奥に見える山は、向かって左が中津山、右が国見山です。
 ところで、いつもなら走っている道の写真も撮るのですが、何回か走ったことがあるためか、紅葉も終わりの時期であったためか、加えて脚力低下で余裕がなかったこともあってか、道の写真があまりありません。写真:下左は、尾根沿い近くを西進(登り)していく途中です。ツール・ド・西阿波時に、西山地区・川人家の横手から登って来る道の合流地点も、歩みが遅くなっためでしょう、随分時間がかかって到着。ここからもまだ少し登りがあったよなあ、と横目に見ながら進みます。途中、初めて走った時(いつか不明)、雑種猟犬のような犬が10匹ほどいたところがありました。西阿波の時には姿を見なかったのですが、今回は数匹いて、やはり吠え立てられました。道脇で吠えまくるので、イベントの間だけ何処かに移されていたのかもしれません。
 緩やかに下って、また緩やかに登る、それが稜線沿いのほぼ直線区間(長さは500mほど)で全線が見通せるところからか北海道と名付けられていた直線区間までも随分長く感じられました。ここだここだと到着してみると、道途中両側からの木が繁ってきて全長が見渡せないようになっていて、かっての面影は失われていました(写真:下右)。稜線付近を走る道が続くのですが、周囲に繁る雑木が邪魔をして、北側も南側の展望も見えそうで見えません。北側・瀬戸内方面がチラッと見えたところが2、3か所ほど。南方面も同様、写真:下左は右手前が中津山、左は烏帽子山の少し南側で、一番奥に特徴的な天狗塚と牛の背の姿が確認できます。
 その後やっと下りになりますが、少し下って雲辺寺への道へと右折すると再び道は登りです。確かここも急勾配だったよなという記憶通り、きつい登り坂でした。走っている感じでは10%以上。雲辺寺までは2q少々の標示があったのですが、脚が休まるところがほとんどありません。帰宅後確認すると2qで270m上昇でした。その2q余の間に、時々観光客らしいクルマが追い抜いていきます。参道が始まる手前には、狭い道の両側にびっしりとクルマが縦列駐車していました。その数100台くらいでしょうか。参道に入ると、自転車を降りて押していきます。以前にはなかったと思う、境内手前に通行料金を取る受付がありました。尋ねると、自転車は無料だけど押して行ってくださいねとのこと。
 漸く辿り着いた雲辺寺(写真:上左2枚)。境内周辺はお遍路さんと観光客で賑わっていました。人込みが嫌いな鳥瞰好きとしては、迷わず山頂公園横にある塔へ向かいます。近づくと、展望台の上に巨大な像が展望台の上に設けられています。毘沙門天像展望台というそうですが、以前にやってきた時に像があった記憶が全くありません。二期的に作られたとは思われないので調べてみましたが、わかりませんでした。360°のパノラマ大展望に気を取られて、頭上には全く目が向かなかったのでしょうか。それにしても素晴らしい展望です(写真:上右)。これまで訪れた中では一番と悦に入りながら眺めていました。三豊平野が一望です。右手には七宝山、奥には荘内半島・紫雲出山が見えています。ところが、帰宅後2014年時の写真(下右の写真)を見直したら全く話になりません。瀬戸内海の島々はおろか、本州・福山方面まで確認できます。記憶は如何にいい加減か思い知らされました。
 上左の写真は西へ向いて。手前に見えるのはスキー場のリフト、その奥に四国中央市の製紙工場の煙突が見えます。煙が無風を示しています。左手に連なるのは赤石山系付近。右奥に薄っすらと高輪半島の山が見えるのですが、ちょっとわかりづらいです。写真:下左は北東方向、この写真は2014年のものです。今回は大麻山付近までは確認できましたが、瀬戸大橋が見えていたことも記憶から飛んでいました。写真:下右は徳島市内方面のズームアップ。阿讃西部広域農道の分岐部付近では高越山の裾野に隠れていた眉山が、一番右奥に薄っすらと見えています。
 見飽きることのない展望ですが、後があるので下ります。人出が多いので、雲辺寺自体はほとんど素通りでした。名ばかりの駐車場から境内までは、古いお寺ならではの大きな杉並木が見られます。道はコンクリート舗装。下左は今回、下右は2014年時のものです。
 来た道を少し下って、分岐を右手に。曼陀トンネル方面に向かいます。この道も2、3度走っていますが、いつも今回と逆走・登りばかり。それほどきつくはなかった記憶でしたが、下ってみると、それなりの勾配の箇所が結構続きました。路面は以前よりも改善されているように思われました。所々にベンチと案内板があるのは記憶通り。下の写真、左と中下は今回、後の2枚は2014年時のものです。下右下は、曼陀トンネルから少し登ったところで通行止めとなっていた崩落箇所。この時は担いで乗り越えました。今回は、全く問題なしでした。右上は、南に向かって。奥の稜線やや右手に塩塚峰が見えています。
 
 写真:下左は、先日塩塚峰後に走った林道佐連峰畑線付近の北側斜面です。曼陀トンネルから佐野地区まで下った後は、もうひとつ登り返して、写真に見える集落を繋ぐ稜線近くを横走する道で馬路付近へ下ろうと思っていました。が、その時点で35q程度しか走ってなかったのに、もう少し登る体力も気力も失せていました。そのまま国道192号線沿いを旧道があるところではそちらを選択し、池田のデポ地へ戻りました。
 左  林道佐連峰畑線の北側斜面
 上  曼陀トンネル 北側
 右上 池田へそっこ大橋
 右下 藍よしのがわトロッコ列車
 最後にちょっと寄り道。JR池田駅です。1ヶ月ほど前から、土日限定で徳島本線を一往復している藍よしのがわトロッコ列車。時刻表によると、おそらく池田駅で復路までの時間があるので、その姿を見られるだろうと思ったからです。通勤途上に徳島駅構内でも見かけているのですが、ウィークデイの朝は、いつも引き込み線の奥にあって、周囲の列車が邪魔をして全体を見ることができなかったのですが、池田駅では全容を見ることができました。10月11月限定だったそうですが、人気につき12月も運行するとか。しかし、赤字路線にとっては、なかなか起爆剤にはならないようです。
 上の写真は、2014年スタート直後のもの。三好橋から北に向かってです。日陰で分かりにくいですが、池田大橋と池田へそっこ大橋、奥の山肌中央付近の集落が西山地区です。ここから写真の一度右手・東に進んで、稜線の裏手付近から左手・西へ進んだのがこの日の前半のコースです。

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