塩塚峰 2021
 10月前半に瓶ヶ森林道の紅葉が終わると、10日程遅れて落合峠がちょうどいい具合に色付いてくる、というのが、ほぼ例年のパターンだと認識していました。今年は(も)瓶ヶ森に行くことができなかったので、落合峠は外せません。移動性高気圧に覆われて天候も落ち着いた予報だったこの日は、九分九厘まで落合峠に行くつもりでした、前夜までは。ところが、前日に落合峠に行かれた友人情報によると、紅葉はまだとのことです。ということで、急遽、行先変更。紅葉と霧氷が揃った剣山は魅力的でしたが、好天の日曜日となれば混雑間違いなし。他にも2、3別のコースを考えてみたのですが、結局、今秋行きそびれていた塩塚峰へ向かうことにしました。 (2021年11月 5日 記)

山頂から東屋方面、一番奥に烏帽子山・矢筈山付近、その前に中津山、さらに手前が国見山の稜線 (2021.10.24)
コース 阿波池田−川口−塩塚峰−大野−杖立神社道−馬路−阿波池田
走行距離   55q   積算標高 1600m
最高地点   塩塚峰山頂  標高1550m
走行日   2021年10月24日  天候:晴れ  GIANT CONTEND
 午前6時10分過ぎに自宅を出発。最近よく利用する池田ダム湖畔に到着してスタートしたのは8時10分。気温は8℃くらいでしたが、寒い。初冬仕様に耳当てまでして、いつもは交通量の少ない右岸を走るのですが、山影になるので三好橋を渡って陽の当たる左岸の国道32号線で川口へと向かいました。川口で右折して国道319号線へ。いつ見ても自重で崩れそうに見える青雲橋を越えたところで、この日の最初の目的・未走の道へと左手に進みます。
池田大橋 三好橋・北から南へ 土讃線第一吉野川橋梁 青雲橋
 塩塚峰へは黒川谷川沿いの道で向かうことが一番多いのですが、今回はその手前で左折して、水車のあるところで黒谷川沿いの道に合流する道を走ることにしていました。左手に進むと、いきなり急勾配です。岩戸集落付近を過ぎても勾配は緩むどころかさらにきつくなって、確認できたところで最大23%。あっという間に銅山川は下方に。振り返ると国道32号線の分岐も確認できました(写真:下右)。距離はどれほどもないのですが、最初から34Tのローギア使用です。ところが、地形図とGPSで確認しながら先へ進んだところ、なんと予定の道が通行止めの標示です。まあいいかと、途中から黒川谷川へ下る道へ(写真:下左上、左手に進む予定を直進)。
左 国道319号線から左・岩戸方面へ
上 左へ行く予定が通行止め
右 振り返って銅山川沿い
   突き当りが吉野川本流
 まっすぐ進むと稜線に出てきました。黒川谷川を挟んで、対岸にいつも走る道沿いの集落が見えています(写真:下左)。このままの標高でトラバースできればいいのですが、道は一端黒川谷川まで標高差で150mほど下ります。いつもの道に戻って、下ってきた岩戸方面を振り返ったのが下右の写真。稜線の鞍部が下左の写真を撮った峠部(標高400m)。そこからは馴染みの道を進んで水車(壊れていました)のところ(地形図では赤谷)で、本来進んでくる予定だった道を確認します。こちらにも通行止めの標示が出ていました(写真:下中)。
左 岩戸から黒川方面
中 出てくる予定だったところ
右 黒川から岩戸方面
 この辺りから旧平野小学校跡までは、比較的緩やかな勾配です。谷だった黒川谷川も路面から1〜2m程度下を流れています。写真:下左のような杉林の部分もありますが、民家も点在しています。平野小学校跡から塩塚高原方面に左折し、少し走ったところ(林道小川平線合流部前後)でつづら折れになるのですが、いつも勾配がきつくなると思っていたこの区間、舗装が新しくなったためか少し楽になった感じがしました。いつもはほとんど人影のないキャンプ場は多少の賑わいがあってパス。下右の写真は、そこから少し登って、霧の高原方面への分岐も越えて。稜線の左端付近が自転車で走っていける終点の東屋付近です。
 初めて訪れた2002年から20年。この間に塩塚峰を訪れたのは10回に満たないかと思います。ススキの草原と野焼きで有名ですが、いつもススキの季節には少し早い時期が多く、今回はこれまで一番穂が開いていた状態だったかもしれません。
 山頂南側にある東屋に到着したのは、10時半過ぎでした。昨年やってきた時、山頂まで歩こうと思っていたのですが、草が藪状に繁っていて断念。ところが、今回は山頂への道が随分と幅広く草が刈り払われていました(写真:下右上・中)。歩くつもりは無かったのですが、これは登れということだと、山頂までハイキング。東屋までは何度もやってきている塩塚高原ですが、山頂に登ったのは初めてでした。東屋と山頂との標高差は40m弱とそれほどないのですが、山頂に登ってみると360°の展望がさらに広がりました。まずは北方向。この日、霧の高原方面への分岐部手前からも香川方面への眺めがあったのですが、期待したほどは澄んでいないなと思っていました。しかし、山頂からは、薄っすらと見たことのある荘内半島はもちろん、瀬戸内海の島々から本州までボンヤリとですが確認することができました。下左、手前はこの後越える予定の国道319号線と国道192号線を隔てる稜線です。右手後方に重なるのは七宝山。そこから左手に荘内半島が伸びています。こんもり盛り上がっているのが紫雲出山。
 これまでに登ってきた中では一番の条件だったかもしれません。写真:下左、見える煙突は四国中央市の製紙工場のものです。沖に見える島は、魚島諸島。下右は、写真:上左の七宝山付近をズームアップ。ほぼ中央に見える稲積山山頂付近に高屋神社の石段が確認できます。左手下に仁尾の町。
 写真:下右は西方向。これまで二ッ岳と思っていた左手一番奥の頂上に雲がかかった山は、石鎚山かもしれません。少しばかり方向が異なりますが、翠波高原から見たシルエットと瓜二つです(写真:左上ズームアップ)。中央付近に聳えるのは東赤石山でしょうか?上左の写真から下右の写真の間には、ボンヤリとしまなみ海道付近の島々が見えていたのですが、アップに堪える写真がありません。

石鎚山?

パラグライダー準備中
 下の写真は、東南方向です。奥の稜線、右から左へと天狗塚三嶺あたりかと思いますが、ひょっとしたら剣山付近まで見えているのかもしれません。
 下右の写真は、トップの写真と良く似た方向です。一番手前と二番目の中央を横切る稜線(国見山)の間に吉野川が流れています。二番目の稜線すぐ後ろに頭を出しているのが中津山。一番後ろの稜線、中津山のすぐ左手が特徴的な形ですぐわかる烏帽子山。剣山も見えているかと思われましたが、地形図で確認すると、写真では右手に切れている国見山山頂に重なる方向なので写ってはいないようです。下左は下右の写真から少し北寄り。手前の山中に見えるのが、平野集落。一番奥が讃岐山脈で、左手奥の一番高いところは、大川山かと思います。この後は、平野集落からトンネルを抜けて銅山川に下り、二つ目の稜線を越えて、一番後ろの稜線の手前・国道192号線へ出る予定です。
 写真:下左は荘内半島から少し東方向です。街並みは詫間付近。瀬戸内海の島々の向こうに水島工業地帯がボンヤリと見えています。下右の写真は、さらに東へスライドしてズームアップ。高圧電線の奥にある稜線は阿讃山脈。右手に雲辺寺が切れています。左手奥の山は我拝師山。市街地は丸亀付近。そして瀬戸大橋が見えています。どちらを向いても鳥瞰好きの私にはたまらない光景が広がっていて、見飽きることがありません。幸い登って来る人の数もポツポツ程度。しばし満喫。ところが東屋に戻ってくると、一気に人が増えていました。
 ちょっと補給して、11時半過ぎ、早々に下りへ。一日青空が続くと思っていたのですが、この頃になると意外と薄雲が出てきました。その後は平野小学校跡から大野へと下ります。写真:下左は下ってきた道が国道319号線と合流するところです。国道319号線をそのまま東進して、黒谷川沿いの道のすぐ手前にある平和橋を渡って銅山川の左岸へ。100mほど走ったところで、おそらくここだろうと思われる分岐部を確認しました。スマホのGPSの精度が高いので有難いです。昨年走った林道佐連峰畑線の東側に当たる道で馬路方面に抜ける予定です。分岐部には杖立神社道という石碑が立っていました。地形図で途中に神社が二つあるので間違いありません。政友という銅山川沿いの急な斜面にある集落をつづら折れで登っていきます。コーナーの小さな場所を利用して、冬物野菜が作られていました。渡った平和橋はどんどん眼下へ。
左  国道319号線へ下ってきた
上  政友集落から銅山川と平和橋
右上 カーブの合間に小さな畑
右  杖立神社道の石碑
 黒谷川沿いはもちろん、この近辺である谷間豊永林道林道下名太田口線沿いでもあちこちで見られる茶畑が、ここでも何か所かありました。写真:下右は政友集落の上方部から銅山川上流へ向いて。塩塚峰は左手に切れています。
 政友集落を過ぎると、道は一直線に北へ向いて走っています。勾配は少しきつくなったり緩んだり。地形図を見ると尾根近くを走っているようです。しかく周囲には檜が多く繁っており、展望はありません。しばらく走ると、最初の神社が見えてきました。近づくと、鳥居には剱神社と記されていました(写真:下右)。手前から走ってきて左方向に進みます。右手の道は、大和川方面に繋がっているようです。
 この道の情報は全く持っていなかったので、どんな道なのかと多少不安もあったのですが、ずっときれいな舗装が為されていました。民家は全くないのですが。そんな道を進んでいくと、いきなり綺麗に整備された小公園様のところがありました。杖立神社の標示があります。手前は少し広くなっていて、東屋もあり、きれいなトイレ(使用していませんが)も併設されています。神社は何処かなと思って鳥居をくぐって鬱蒼とした道を進むとすぐ、急な階段の上に本殿らしき建物がありました。これだけ整備されているので由緒ある神社かと調べてみると、御祭神・猿田彦大神の使いである白蛇が立て祀られていて、足腰の病気や怪我に霊験があると言われているそうです。参拝者は蛇の好物の卵を持って参拝し、願いが叶うと杖を奉納する風習があることから、杖立神社と名付けられたそうです。春には祭りがあるようです。鳥居の反対側には、この道で唯一の展望が広がるポイントがあり、東方面が見渡せます(写真:下右)。右手に見えるのは、中津山です。奥の烏帽子山は何処からでもすぐわかりますね。
 左  杖立神社
 左上 神社手前に東屋とトイレ
 上  左の神社は鳥居の奥に
 右  右は中津山、奥に烏帽子山
 杖立神社から峠まではまだしばらくあると思っていたのですが、まもなく峠に到着しました(平和橋から標高差400mほど)。峠から北側は、皆伐されたところが広がっていて、南側と全く様相が異なります。道は未舗装路のように見えます。北には雲辺寺がすぐそこに見え、徳島道も下方に見えました(写真:下左)。日曜日なので作業はお休みのようでしたが、西側には大型トラックが停車したまま。ここから西側は林業作業用で行き止まりかとその時は思っていたのですが、地形図で確認すると昨年走った林道佐連峰畑線から呉石高原に繋がる道だったようです。右手・東に向いて下っていきますが、最初はこんな道(写真:下右)。未舗装路のように見えますが、どうも作業と大型車が通るため舗装路が痛み、その上に土が被さったようです。下るにしたがって、やや荒れた舗装路が土の下に現れてきました。
 峠から北側は登ってきた南側と異なり、植林された杉林が続きます。東の大和川方面へと向かう道への分岐部を過ぎると、路面は綺麗なアスファルト舗装となりました。しかし道は短い距離でつづら折れとなって、勾配もきつい箇所が続きます。逆走は結構大変そうです。
 下り切って国道192号線に出てきたところは、ちょうどコミュニティバスの馬路乗り場のところでした。そこからは交通量が多いのですが、脇道がないので仕方なく国道192号線を走って、デポ地に戻りました。地形図によると、国道319号線と国道192号線を隔てる山並みには、この道と林道佐連峰畑線の間にも1本道があるようです。また尾根の北側を集落を結んで東西に走る道もあるようです。また、機会を作ってそんな道を走ることができたらと思います。

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