1枚の写真が旅への郷愁を誘うことがあるのは、誰しも時に経験することだと思います。私がその一枚の写真を初めて目にしたのは、何時・何処でだったか記憶は定かでありません。その後も雑誌などで何度か見かける度、深い谷底から山肌をジグザグに登っていく道と、その周囲を構成する圧倒的な山々の光景が目に焼き付いて離れませんでした。Passo dello Stervio！　いつの日か、この光景を目の当たりに見てみたい。Lombardiaを巡るサイクリングで、そんな思いを実現することができました。

Passo dello Stervio

初めて自転車で海外を走ったのは、2006年に参加した Etape du Tourです。Etape du Tour というイベントの素晴らしさに加えて、Tour de France 観戦と、その前後に走ったフランスアルプスやピレネーの道、周辺の山や村などの光景全てに魅せられてしまいました。これはもう再訪するしかないと、その後、何度か Etape du Tour に参加しました。予想もしなかった寒さでDNFとなったこともありますが、毎回フランスの田園風景やアルプスやピレネーの山々に圧倒され、自転車文化の成熟度に驚くばかりでした。しかし、年とともに体力も衰えて、天候などの条件が揃っても Etape du Tour を完走することが難しくなってきました。参加する限りはやはり完走を目指したい、それができないとなると楽しみは半減してしまいます。 　Etape du Tour にはもう参加できそうにない。しかし、フランスを走る魅力は捨て難い。個人的ツアーは無理だしと思っていたところ、目に入ってきたのがFellow Cycleの企画でした。フランスではなくイタリア北部だったのですが、HPに記載されていた各コースは魅力的で、距離も短く余裕をもって走れそうです。しかも、ロンバルディアツアーには、なんとあの Passo dello Stervio がコースに入っているではありませんか。これだ！と、退職する予定だった2017年に、余りある有給休暇を使用して参加することにしていたのですが、最低催行人数に達しなくて行くことができませんでした。仕切り直して、翌2018年7月に行くことができました。毎日が強行軍（それはそれで楽しかったのですが）の Etape du Tour ツアーとは異なり時間的にも余裕があって、コースはいいとこ取りです。Passo dello Stervio はもちろん、連日ロンバルディアの素晴らしい光景を心ゆくまで満喫することができました。

	コース	概　要
1日目	Santuario Madonnna del Ghisallo と Sentiero Valtellina	サイクリストの聖地・ギザッロ教会を訪れ、Sentiero Valtellina・自転車歩行者専用道を東進
2日目	Passo dello Stervio	憧れの Passo dello Stervio は、期待を遥かに上回る景観を見せてくれました
3日目	Bernina Express	未走区間のSentiero Valtellinaを走って、ベルニナ急行で山岳列車の旅も満喫
4日目	Pass del Mortirolo	麓から峠までの距離は約12�q、平均勾配は、なんと10.9％！
5日目	Passo di Gavia	予定にはなかったガビア峠、これまたステルビオ峠に肩を並べる景観が続きました
6日目	Lago di Garda	標高1500mを越えていた前5日間と変わり、南国を思わせるガルダ湖畔を周遊