明神山2024  付:国道195号線・阿瀬比峠横道
 明神山を初めて訪れたのは2003年2月、もう21年も前のことになりました。その後もちょくちょく訪れていたつもりだったのですが、記録を確認してみると2009年1月、2012年12月、2020年11月の3回のみ。思っていたほど訪れていません。しかも、過去3回はいずれもブログにもアップできておらず、僅かな写真が残っているだけでした。以前の記事も古く、また今回山頂からの眺めがなかなか良かったので、眺望を中心にアップしてみました。(2024年 1月31日 記)

明神山山頂から西北西方面 冠雪の剣山山系 (2024.01.27)
 コースは下図。県南へ向かう時によく利用する那賀川河川敷からスタート。伊座利峠へ向かう県道26号線の分岐部までは最短距離で。走り慣れた道ですが、巡航速度が落ちた最近は、横を追い抜いていくクルマにストレスを感じることが多くなってきました。県道26号線に入ると、交通量が減って一息。当初から明神山へ登ろうかと思いながらのスタートでしたが、周辺の稜線も山肌も比較的くっきり見えたので、迷わず明神山へ。伊座利峠までは少し勾配のきついところもありますが、ゆっくり。
 
コース  羽ノ浦−橘−明神山−由岐−新野−阿瀬比旧道−羽ノ浦
走行距離   80q   積算標高 1200m
最高地点   明神山山頂  標高441m
走行日   2024年 1月27日  天候:晴れ  GIANT CONTEND
 午前9時過ぎ、伊座利峠に到着。分岐部にある看板、以前は峯神社やアサギマダラの記載はなかったような記憶なのですが、新しくなった? しかし、進み始めると道の状況は記憶通り。最初の50mあまりは10%ほどの勾配ですが、その後は5%足らずの緩やかさ。路面はコンクリート舗装ですが、23Cのタイヤでも問題ありません(今回は32Cでしたが)。9割近く登って右手を折り返すところを少し過ぎたところに、椿小学校総合学習・アサギマダラ・マーキング場という標示がありました。これも記憶に残っていません。伊座利峠から山頂までは3.5qで標高差210mほど。30分かかって頂上手前の広場にある鳥居前に到着。この鳥居の奥にある階段を押し上げます。
伊座利峠からの分岐 20年来、道は変わらず アサギマダラ・マーキング場標示 峯神社入り口の鳥居
 山頂までの道は、下2枚のような感じで続きます。初めて蒲生田岬を訪れた頃(2003年)の県道200号線沿いのように、道脇にはシダ類が繁っています。両側には照葉樹を中心とする常緑樹が密生しており、そこそこ角度のある山肌をトラバースしていくのですが、太平洋の姿が見えるポイントはほとんどありません。が、勾配が緩く、クルマはほぼ皆無(この日もゼロ)なので、私的には好みです。道とその周辺に関しては、21年前とほぼ変わっていないと思います。ただ以前にも気付いていたのですが、道脇には獣害対策用のネットに囲われた植樹の跡が見られるのですが、ほとんど生着していません。頂上までに、生着したと思われる直径10pくらいの幹に成長したソメイヨシノ(上の写真:アサギマダラ標示と自転車の間にあり)は、10本もなかったと思います。
 毎度の事ながら、事前のチェックがいい加減で、確か明神山の標高は300m台後半だったよなと思いながら登っていたのですが、階段を担ぎ上げたところにある一等三角点には441.6mの標示。自転車の奥の道を20mも進むと峯神社に到着。こちらのほうが数mほど標高があります。写真:下左は、山頂の峯神社からほぼ真北。手前右下に見える平地は、椿泊と蒲生田岬分岐部前の県道200号線付近。橘湾・小勝島にある火力発電所が興覚めですが、ちょうどこの煙の奥に大鳴門橋が位置します。到着した時は橋が見えていると思ったのですが、その後目を凝らしても、撮った写真を確認してもはっきりしません。西側の鳴門、東側の淡路島福良付近は確認できるのですが。中央付近の雲の下には諭鶴羽山付近を中心に淡路島から右手には友ヶ島方面までも肉眼では見えていたのですが、これも写真ではわかりません。火力発電所のすぐ左奥は津乃峰。

山頂・峯神社

一等三角点・441.6m
 一方、西北西に位置する剣山山系の眺めは、これまで訪れた中でも一番でした。北側から反時計回りに。下右、一番奥中央が大麻山、その右手に天円山。手前の街が徳島市街、その左手が眉山です。左下の谷筋は新野付近でしょう。下左は、その左手(西側)。四つの稜線が横切っていますが、一番後方の稜線に大川原の風車群が連なっています。その手前は、勝浦川と那賀川の間の山筋。もうひとつ手前が那賀川南側の稜線で、写真では切れていますが、この稜線の左手に太龍寺山が続いています。一番手前の稜線との間に国道195号線が走っています。
 さらに左手。おそらく間違っていないと思うのですが、中央の三角山が高丸山だと思います。その右手奥、雪が多く白く光るのは雲早山のようです。陽が当たっておらず、やや暗いので写真ではわかりにくいのですが、左端の山頂には雨雲レーダーの姿が確認出来るので高城山に間違いありません。手前を横切る稜線は、勝浦川と那賀川の上流を隔てる分水嶺のようです。
        
 冒頭の写真は、この上下にアップした写真の全体像です。下の写真は、冒頭の写真・三つある真中の電波塔の上をズームアップしたものです。白銀に輝いている辺りが剣山です。現地で眺めていた時は山頂まで見えていると思っていたのですが、写真を確認すると山頂付近は雲がかかっています。鞍部を挟んで右手奥の稜線少し下方に道らしきラインが横走していますが、おそらく剣山スーパー林道で、一番高いところは天神丸かと思われます。手前の稜線、上と下の写真の間には冒頭の一枚のようにピークがあるのですが、方向から2023年2月に走った東尾の奥、竜峠付近だと思います。冒頭の写真で、そのピーク右下に崖のように見えるところがありますが、これも2016年に走った杉地臼ヶ谷林道が通っている所のようです。Google map の写真で崖のように見えるところが確認できます。
       
 上の写真と剣山付近が重なりますが、その左手。中央付近、さらに左手のピークは何処でしょう。三嶺や、左側は山の形から天狗塚付近でしょうか? それとも土佐矢筈山付近まで飛ぶのでしょうか。いずれにしても、素晴らしい眺めでした。登ってきた甲斐があったというものです。
         
 ところで、これまでの4回はいずれも峯神社を囲む数十pほどの低い石垣の上から写真を撮っていたのですが、ふと見ると神社のすぐ手前にある社務所・コミュニティセンターの屋根に上がれる階段があることに気づきました。あれっ、これまであったっけ。階段は真新しいものではなく、それなりに古びています。どうしてこれまで気付かなかったのでしょう。早速登ってみると、峯神社が視界を妨げる極一部を除いて、ほぼ360°の展望が楽しめました。東南側中心に光り輝く太平洋(写真:下左)。写真ではわかりませんが、この左端付近の水平線上には、和歌山のかなり南部までの陸地を確認することができました。下右は奥に室戸岬。手前は牟岐大島です。室戸岬まで直線距離で75qほど。50q弱とずっと短い大鳴門橋付近がすっきり見えなかったのは、どうしてでしょう。光線の角度からは後者のほうが条件が良いと思われるのですが。
 気温は11℃くらいでしたが、陽射しがあって風もほとんどなかったので心地良い。眺望を十分に楽しんで、下山後は県道26号線を由岐の町手前で右折して県道25号線へ。下左の写真は、県道26号線から振り返って。伊島が見えています。肉眼ではその奥に和歌山が見えていたのですが。下右は、進んでいく南方面。室戸岬は左手前の樹に隠れています。ここも何度走っても飽きない道です。
 その後は県道200号線から交通量の多い国道55号線を少しだけ走って、県道284号線に左折。これも好きな道です(写真:下左)。ただ残念ながら、3ヶ所ほどある竹林は行く度に荒れていくように思われます。初めて訪れた頃は手入れが行き届いて竹の直線と植えられた山肌のカーブが整然とした美しさを醸し出していたのですが。なんて思いながら走っていたら、一番北側の竹林前に軽四が停車していました。ここだけは人出が入っているようで、往年の輝きが少しだけ残っているように見えました。
 時間があれば、新野の手前で左折して喜来トンネル経由、鷲敷から阿瀬比峠周りで帰ろうと思っていたのですが、気が付くと分岐部を通り過ぎていました。そこで、味気ないけど久々に国道195号線を東側から登って阿瀬比峠へと向かったのですが、国道に入ったところで、確か地形図で南側に道があったような記憶が浮かんできました。確認すると確かに旧道峠付近に続く軽車道の記載があります(上右図)。こんな機会でもなければと進んでみました。西へ直進する部分は勾配も緩やかで、民家が疎らに続くので路面も保たれています。が、最終の民家を過ぎて右に折れ南へと進み始めると勾配は増して、路面には杉などの枝葉が増えてきました。それでもその次の右コーナーまでは、なんとか乗車可能(写真:下左・中)。ところがコーナーを周った途端目の前に現れたのが、下右の光景。
  
 問題なく乗り越えて進んだものの、その先には大量の竹が路面を封鎖しています。もう通行する人はおらず、廃道になるつつあるようです。これも乗り越えたり、くぐったり。当然、全て押し。とても乗車できません。無事、竹の障害を越えても、倒木は続きます。
  
 写真では、どれも十分な道幅がありますが、一ヶ所崖側が崩れて幅が1m弱となったところがありました。大雨などがあれば、完全に崩落しそうです。上右が旧道の峠付近に奥から出てきたところです。結構時間を要したように感じたのですが、写真データで確認すると10分少々のことでした。さすがに、ここはもう一度来ることがなさそうです。

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