高越山中腹の道 林道楠根地中ノ郷線など
 高越山には何度か登っていますが、山頂近くにある船窪つつじ公園へ訪れたり、高越寺へ立ち寄ったりすることがメインで、後は北側にある林道などを通って下ることばかりでした。山腹付近に横走する道があることに気付いたのは、林道下司林谷線同様いつも参考にさせていただいているとくしま林道ナビのHPがきっかけです。林道楠根地中ノ郷線(以下、林道と略)という短い林道が載っていました。地形図を見ると高越山の北側中腹にも道があります。二つを繋いで走ってみることにしました。 (2023年 3月21日 記)

林道楠根地中ノ郷線ピーク付近にて 後方に高越山山頂 (2023.03.11)
 標高は一番高いところで高々500mほど。とくしま林道ナビの情報でもあまり展望はないらしいので、見頃となっているらしい美郷の梅林を立ち寄ることも兼ねて、この時期に実行することにしました。しかし、実際に走ってみると、林道のピークから北側では吉野川下流域の展望がそこそこ広がっていました。この日は黄砂があることを事前に確認していましたが、展望はないと思っていたので気にしていませんでした。コースは林道入り口が分かりやすそうな、ふいご温泉方面から進むことにしました。林道周辺の道概略は下の地形図。林道区間は、楠根地集落の終わりから、一番上に切れるところまでです。
コース 川島−山川線−楠根地中ノ郷線−北麓山腹−穴吹−美郷−川島
走行距離  70q弱   積算標高 1500m
最高地点  林道楠根地中ノ郷線ピーク 標高580m
走行日  2023年 3月11日  天候:快晴  GIANT CONTEND
 午前7時30分過ぎ、川島の河川敷をスタート。朝の気温は随分と上がってきましたが、スタート時は7℃。最近は寒さにも弱くなって、要らないだろうと思いながらも念のために持ってきた冬装備で走り始めます。このところあまり走っていなかった大好きな吉野川土手上の道(写真:上右)を進みます。瀬詰大橋の上流で支流・川田川の土手沿いへ。下の写真は、その川田川の土手上から正面に高越山。黄砂のため写真では分かりにくいのですが、目的の林道は左手前の中腹付近にある尾根筋を奥から手前に越えてくるのだろうと見当を付けていました。その後は右手前の小高い裾野を越えて穴吹方面に下る予定です。

高越大橋上から北へ

左の写真から上流へ進んで
 ふいご温泉のところから高越山・船窪公園方面に向かう県道248号線を進んで500mもないところで、中ノ郷への分岐を確認。この手前に高越山登山口があって数台のクルマが停車しており、歩いて山頂に向かう人の姿も見かけました。分岐部付近で写真を撮っていたところ、ひとりの自転車乗りが挨拶とともに軽快に高越山方面へ向かっていかれました。中ノ郷方面と記された向かう道にも一台の軽トラが登っていきました。ここで、登りに備えて冬仕様の服を脱ぎ始めます。ここからは急勾配になるかと覚悟していたのですが、意外にも数%程度の坂が続きます。途中、谷挟んで対岸に整備された梅林を持つ雰囲気いい民家があったのですが、山影で暗く手前の木々が邪魔して写真はありません。常緑樹が多い雑木の中を登っていくと、陽当たりのいい緩斜面に出ました。最初に鶏舎があって、緩やかな折り返しコーナーを登っていくと民家が3、4軒。十数頭くらいの茶色い毛並みの牛がいる牛舎もあります。地形図では山川町大内との記載されている付近です(写真:下右)
  右  大内集落
  上  北谷瀧大師庵分岐部
  左上 林道へと向かう道
  左  中ノ郷→の標示あり
 そこから進んで北谷瀧大師庵という幟のある分岐を過ぎると、再び陽当たりのいい大内地区よりも広い緩斜面に出てきました。前方に高越山(写真:下左)。ここが楠根地集落です。何軒かの民家が点在していますが、現在も住まわれているように見えたのは半分以下でしょうか。町村合併で吉野川市になる以前の美郷村には、確か山川町の飛び地があった記憶。この辺りだったかなと調べてみると、谷ひとつ南側でした。

満開の梅
 上の3枚、下の4枚はいずれも楠根地集落です。満開の大きな梅の樹もありましたが、付近に人影はありません。民家の間を縫って集落の上部に登っていくと、吉野川が見えるところがありました(写真:下右端)。
 この時点で、てっきり林道に入っているものと思っていました。事前にとくしま林道ナビで確認していた林道の標示をを見逃したかと思いながら進んでいくと、集落最上部の民家(在住)のところにとくしま林道ナビで確認していた緑のフェンスと林道終点の朽ちかけた標示を見つけました。林道はここから先です。自転車の横にある木製の標示には、林道終点と記載されていました。道の左側には南東方面への展望が広がっていました。写真:左上、稜線付近は船窪つつじ園がある辺りでしょうか。
 綺麗なアスファルト舗装で始まった林道を進んでいくと、まもなく未舗装となりました。拳大の石も多く、そこそこ荒れた路面です(写真:下)。路面はそれなりに踏み込まれていますが、こんな道が続くとそこそこ大変かなと思いました。が、結果的には、この付近が林道全行程の中で一番荒れていた区間でした。それでも勾配はきつくなく、多少のリスクはありますが力と技のある方なら25Cのタイヤでも走行可と思われます。
 下の2枚は、林道最高地点の少し手前です。地形図では1車線道路が尾根筋を回り込んで軽車道に変わる標高596mと小さな池の標示のある南側です。トップの写真も、下左の写真付近から見上げて。ガードレールは時々ある程度です。未舗装路ですが、轍部分の路面は十分踏み込まれていて快適です。だた展望はほとんどなく、周囲の植生もこれといった特徴もない雑木です。それでも決して走って面白くない道ではありません。かと言って、何回も訪れたくなるような道でもないかな、とこの時点では思っていました。
 尾根筋のピークを回り込んで少し下ったところで、写真:下右上のような分岐に出てきました。林道は右手に直進です。高越山山頂へは左奥に進むようです。道端に案内表示図と綺麗なベンチ、トイレもありました。写真:下中は振り返って。右後方からの道を走ってきました。左奥は、ふいご温泉上にあった登山道が続いています。上述のように、地形図ではここまで1車線道路、その後は軽車道と記載されていますが、道にはその前後でほとんど差がありません。案内図には、左手奥に中の郷桜公園(ここの標示は「の」)とあったので進んでみましたが、入り口に倒木、その奥は閉鎖されているようでした。鳥居の奥は中前寺というお寺で、高越山山頂へはその横を通っていくようです。鳥居脇には標高555mと石標に刻まれていました。GPSは589mの標示、地形図では580mくらいでしょうか。鳥居の上に高越山山頂。標高差で500mくらいあるのに、案外低く近く見えます。
左  中前寺の鳥居、奥に高越山
上  分岐部で振り返って
右上 林道は右手直進
右  分岐部にある案内図
 一服後、下り始めます。下り始めると、上述のように予想外に北東を中心とする展望があるところが何ヶ所かありました。写真:下左は、北方面。左奥は大滝山の山腹で、谷筋を国道193号線が走っています。右手奥は台ヶ丸山。この後、県道249号線まで一度下りきって、左手前に見える稜線付近を右手から左へと走って穴吹方面へ向かいます。下右の写真は、もう少し下って、吉野川と阿讃山脈が見渡せるところ。阿讃山脈、中央付近が伊笠山でしょうか。つくづく黄砂が残念です。条件が良ければ、鳴門方面から淡路島まで見えると思われます。この付近から道の状況を点検しているらしい軽四に乗った方と相前後するようになりました。
 下右の写真は、上右の写真・ハンドル付近をズームアップしたものです(少し画像強調)。吉野川と瀬詰大橋、土手沿いを走ってきた蛇行する川田川がよくわかります。下っていく林道は、コンクリート舗装と未舗装部分が交互に出てきます。登ってきた側とは異なり、勾配がきついです。10%を越えているところが連続します。逆走するには結構手強い道ですが、時々広がる吉野川方面の展望が気持ちを支えてくれるかもしれません。写真:下左のコンクリート舗装の部分も11%くらいなのですが、緩やかに見えますね。
 写真:下左、ここは最近道が改善されたのか、コンクリート舗装や道周囲、路肩や法面の状況が新しそうです。180°カーブして高度差も大きい。なんか無理やり道を付けたように見えなくもないです。前述の軽四に乗った方は、私が写真撮影するのと前後して停車しては、道周辺を写真に撮ったり記録していました。ご苦労様です。写真:下右、下って来ると吉野川方面の展望はなくなります。時々、高越山方面の稜線を仰ぎ見ることができます。
 写真:下左、下っていく前方に高越山山頂が見えてきました。小さい写真では分かりにくいですが、手前の山肌上方につい今しがた下ってきた道が見えています。下右のU字コーナーを過ぎると、勾配はぐっと緩んできます。落葉樹が多く、路面は落ち葉で覆われていて、これまたいい雰囲気。途中からは左手に小さな谷川が流れ始めました。
 そんな道を下っていくと、突然幅の広いアスファルト舗装の二車線道に出てきました。写真:下左、左手奥から下ってきました。地形図では、軽車道が再び1車線道路に変わるところです。こんなところに立派な道があると思いましたが、左手には通り抜けできませんの標示。反対の右側に進むと、こちらにも通り抜けできませんの標示に加えて、柵まで設けられていました(写真:下中)。地形図を確認すると、左右の二車線道は一車線道と記載され途切れている道です。下中の真中の道が下り道だと思って進んだのですが、すぐに広い庭と畑を持つ二軒の農家の庭先となって行き止まり。正解は、廃屋になりつつある鶏舎か何かの建物横を進んでいく道でした。下っていくと、陽当たりのいい所には、下右の写真のように2、3軒の民家がありましたが、この後また深い山奥かと思わせる杉などが繁った暗く狭い谷筋を経て、地形図では山川町御饌免と記載のあるところに下ってきました。こちら側から林道に入ろうとすると、入り口がわかりにくいように思います。
   
 県道249号線に出る前に左折して、僅かだが山側の県道以外の道を北上します。下の地形図は、林道から下ってきたところと、県道249号線(黄色い道)から穴吹方面へ向かった山腹の道を→で示しています。
 県道249号線に出て300mも走らないところ(上図:山川町片岸)で左折して、地形図で1車線道路と記載されている道で再び登りです。ここからも初めての道。それにしても、距離で30q弱、標高差600mほどしか登っていないのに、もう脚が残っていません。山川の町を眺めながら、さほどきつくもない勾配の道を一桁走行でゆっくりと。進む道の標高はどれほどもないのですが、時々北側の展望が広がります(写真:下左)。写真撮影を言い訳に度々休憩。下右の写真は、北東方向、左手が妙体山で右手が伊笠山付近だと思ます。
 進んでいく道には時々分岐が現れます。そんな分岐部にある標示には地名ではなく、どうも個人名(住宅を示す)らしい名前が列記されていました。道は地形図で1車線道路と記載されている真っ直ぐがメインに見えますが、そのまま直進すると穴吹まで行く手前で吉野川沿いに出てしまうようです。そこで地形図で山川町八ヶ久保の保の字がある1車線道路から南へ分岐する短いジグザグの軽車道へと進みます。地形図通りの短いつづら折れで登って再び東へ向かう道になると、尾根っぽいところに出てきました(写真:下右)。この分岐にも住民名らしい標示が出ていましたが、道沿いには民家を見かけることはほとんどありません。左手、落葉樹の向こうには高越山が見えています。

つづら折れの道

住宅名が記載された標示
 樹高のある落葉樹の心地良い道が続きます(写真:下左)。勾配も緩くなってきました。そんな道を進むと、民家があったらしい広場に出てきて、道は右手に下っていきます。少し下ったところで突然二車線の広い道に出ました。ちょうど林道を下って出てきた時と同じ様相です。地形図では山川町御旅館と記載され、再び軽車道が1車線道路に変わるところ。このまま穴吹まで広い道で下っていくのかと思ったら、数百mも走らないところで、写真:下右上のような二手の細い分岐に。確認すると右手が正解のようだったので、そちらに進みます。

2車線道路が突然途切れる

新山大師参道休憩所
 山腹に沿った道を少々登り返して下り始めると廃屋が現れました(写真:下右)。庭には満開の梅。奥には穴吹西側の山、さらに後方には阿讃山脈が薄っすらと見えています。この廃屋のすぐ下には人が住んでいる手入れの行き届いた民家があって、そこからは西側と南側の展望が広がっていました。写真:下中は西側、穴吹川西岸の山並です。以前に県道255号線から下ってきた辺りだと思います。写真:下左・南側には、下方にゴルフ場、そして背後に聳える高越山。この日一日、いろんな角度から高越山を眺めることができました。道なりに下っていくと、お堂がありました。雰囲気がごちゃごちゃしていたので通り過ぎましたが、その少し下方には新山大師参道休憩所という立派な屋根付き停留所のようなところがありました。お堂は新山大師堂というようです。そのまま下ると、予想通り時々デポ地に利用するふれあい広場横に道に出てきました。
  
 穴吹まで下ってきた後は国道192号線を走って、JR川田駅付近から再び県道249号線へ右折。足はあまり残っていませんでしたが、時間はあったので、当初から予定していた美郷の梅林を訪れることと、僅かばかりですが未走の道を目指します。県道249号線から川田川の右岸へ渡り、高越大橋のところからも国道193号線のトンネルを避けることと道自体の雰囲気が好きなので右岸沿いの旧道を進みます(写真:下右)。初夏はホタルで有名な川田川(写真:下左)。途中の民家にも、あちこちに梅の花が満開。
 川俣の県道245号線分岐部で、すぐに梅林の幟が立っている登り道へと進みます(下の地形図→)。観梅の人で賑わっているかと思っていましたが、人出はそこそこ。写真:下右は天野梅園の分岐を通り過ぎて、上から梅林を眺めたところ。奥の山は掘割峠に続く山並、徳島カートランドがある付近だと思います。
 さらに進んで、写真:下中の分岐を直進します。右手・張方面、直進は柿谷などの地名が案内されています。右手からは以前に倉羅峠から下ってきたことがあります。その時にあった、路面に大きく神山→と書かれているのも同じように残っていました。ここから直進して山腹をトラバースするところが未走区間です。
 左 点在する梅林、満開
 上 柿谷方面と張方面分岐部
 右 重野尾付近
 2ヶ所ほど大きくはないものの手入れが行き届いた梅林がありました。写真:上右・下は地形図で重野尾と記載されている辺り。民家に満開の梅。奥はひとつ上の写真と繋がる山筋。ガードレールが見えますが、蛇行しながら東西に伸びており、東は県道43号線にぶつかります。送電線の鉄塔がちょっと邪魔ですね。
 柿谷まで東進して県道245号線に下る予定でしたが、地形図で1車線道路が軽車道にぶつかるところで、柿谷方面1q先で崩落のため通行止めの標示です。路面はきれいですが・・・。自転車を担いででも通ることが出来ればいいのですが、ダメなら引き返すのはしんどい。しばし悩んだ後、引き返すことにしました。川俣の分岐まで引き返して、県道245号線を東へ。下右の写真は、天野梅園を下から見上げたところ。4年振りですが、知っている限りでは美郷の梅の眺めとしては一番気に入っているところです。

杉林が多い

1q先通行止め
 全行程でも70q足らずですが、疲れ切って掘割峠へよろよろと。到着した展望台の周囲は雑木が切られていて、善入寺島をはじめとする北側の眺めが格段に良くなっていました。また、空気が澄んだ日にやってきましょう。
 それにしても走行終了時(14時過ぎ)の気温は23℃。日較差が16℃もあって、僅か半日の間に冬装備から夏仕様に。この日は一番暑い時間帯に終了しましたが、少し遅い時間になるとまた冷え込んできます。気温変化への対応能力も落ちてきて、衣類の着脱にも忙しい季節です。

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